2026年9月8日、東京株式市場でこんなことが起きました。
日経平均株価が3日ぶりに反落し、前日比1130円51銭(1.70%)安の65,269円33銭で取引を終えました。
前日(9月7日)は、半導体株の買いで+1378円90銭という大幅高だったばかり。たった1日で、その大部分が失われる展開になりました。
でも、今日の下落をよく見てみると、面白いことに気づきます。
すべての会社が売られたわけではなく、トヨタ自動車のような輸出関連株が売られる一方、ソフトバンクグループ(SBG)は逆に上昇していたのです。
「なんで、同じ日にこんなに明暗が分かれたの?」
今日はこの「なんで?」を一緒に読み解いていきましょう!

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今日の下落、直接のきっかけは「円高」
今日の下落の一番大きな要因は、為替(かわせ)でした。
東京外国為替市場で、円相場が一時1ドル=152円台まで上昇しました。これは、カブサーの協調介入記事で学んだ155円台からも、さらに円高が進んでいることになります。
円高が進んだことで、トヨタ自動車のような輸出企業が売られました。
カブサーのトヨタ増収減益記事で学んだ理屈を覚えていますか?
海外でドルを稼ぐ輸出企業は、円高になると、稼いだドルを円に換算したときの金額が目減りしてしまいます。「円高=輸出企業の採算が悪化するかもしれない」という警戒から、トヨタ自動車をはじめとする輸出関連株に売りが出ました。
もう一つの重荷!中東情勢の緊迫化
円高に加えて、中東情勢の不透明感も、今日の下落要因として挙げられています。
カブサーの中東半年後記事でも触れた通り、中東の緊張は完全には解消されておらず、断続的に緊迫化する場面が続いています。こうした「世界情勢への警戒」も、投資家がリスクを避けようとする動き(リスク回避)につながり、株式市場全体の重荷になりました。
でも、AI・半導体株は「底堅かった」
ここが今日の一番面白いポイントです。
円高・中東情勢という2つの逆風が吹く中でも、AI(人工知能)需要の底堅さを受けて、ハイテク株には買いが入りました。
中でも注目されたのが、ソフトバンクグループ(SBG)です。SBGの株価は上昇し、約2カ月ぶりの高値をつけました。そして、この1銘柄だけで日経平均を272円74銭も押し上げていたことが分かっています。
なぜSBGだけが、こんなに強かったのでしょうか?
理由の一つは、カブサーのFRB発言・ソフトバンクG記事で学んだ「割引率」の考え方です。世界的にAI関連の需要が引き続き旺盛だという見方が根強く、将来性への期待が大きい会社には、逆風の中でも買いが集まりやすい状況が続いていました。
「1130円安」の中身を、もう少し詳しく見てみよう
今日の値動きを、業種別に見てみましょう。
- 上昇した業種
情報・通信業、石油・石炭製品、鉱業など - 下落した業種
ガラス・土石製品、輸送用機器(自動車など)、電気機器など
東証プライム市場全体で見ると、値上がり銘柄は23.2%だったのに対し、値下がり銘柄は74.5%にのぼりました。
つまり、SBGのような一部の値がさ株が指数を押し上げる一方で、市場全体としては、多くの銘柄が値下がりしていたことになります。つまり「値がさ株の影響力」が、今日はまさに「下落を和らげる方向」で働いていた、ということです。
実際、TOPIX(東証株価指数)も75.47ポイント安の4050.33となり、日経平均と同じように下落しています。
なぜ「輸出株」と「AI株」で、こんなに反応が違うのか
今回の値動きから、投資家として大切な視点を整理しましょう。
同じ「1つの市場」でも、会社によって受ける影響はまったく違う、ということです。
- 輸出関連株(トヨタなど)
円高という為替の動きに、直接・敏感に反応しやすい - AI・半導体関連株(SBGなど)
為替よりも、AI需要への期待という、また別の要因に強く影響される
「日経平均が1130円安だった」という見出しだけを見ると、「市場全体が売られた悪い日」という印象を受けるかもしれません。でも実際には、「円高の影響を強く受けた業種」と「それとは別の理由で底堅さを保った業種」が、同時に存在していたというのが、今日の正確な姿です。
東京エレクトロンは、SBGとは違う動きに
面白いことに、同じ半導体関連でも、東京エレクトロンは下落し、指数を押し下げる要因になっていました。
同じ「半導体」というくくりの中でも、会社によって反応が分かれる場合があります。ニュースを見るときは、「業種全体」だけでなく、「個別の会社が、どんな理由で・どちらに動いたか」まで確認することが大切です。
投資家として、今日から学べること
①「下落」の見出しだけで、全体を判断しない
「日経平均が1130円安」というニュースだけを見ると、すべての株が下がったように感じますが、実際には業種や会社によって、明暗がはっきり分かれることがあります。
② 為替の動きは、輸出企業への影響を特に確認する
円高・円安のニュースが出たときは、輸出関連株(自動車・電機など)にどう影響しているかを、あわせてチェックする習慣が役立ちます。
③「値がさ株1社の動き」が、指数の見え方を変えることがある
SBG1社で日経平均を272円も押し上げていたように、一部の値がさ株の動きが、指数全体の下落幅を和らげたり、逆に拡大させたりすることがあります。
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 円高 | 円の価値が上がり、少ない円で多くの外国のお金と交換できる状態 |
| 輸出関連株 | 海外に商品を売って稼ぐ会社の株。円高になると採算が悪化しやすい |
| リスク回避 | 世界情勢への不安などから、投資家がリスクの高い資産を避けようとする動き |
| 底堅い | 逆風がある中でも、値段があまり下がらず、しっかりしている状態 |
「日経平均が大きく下がった」というニュースの裏側には、今日のように「円高で売られた業種」と「別の理由で底堅かった業種」が、同時に存在していることがあります。
次に株価が大きく動いたニュースを見たとき、「どの業種が、どんな理由で動いたのか」を、ぜひ一歩踏み込んで確認してみてください。指数の数字だけでは見えない、市場の本当の姿が見えてきますよ!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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