【投資家目線で読む】アメリカの高官のたった一言で、ソフトバンクGが+11.78%!金利低下でハイテク株が動く理由

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2026年9月4日、東京株式市場でこんなことが起きました。

日経平均株価が5日ぶりに反発し、前日比806円高の65,020円で取引を終えました。

そして、この上昇を1社だけで大きく引っ張った会社があります。

ソフトバンクグループ(SBG)の株価が、前日比589円高(+11.78%)の5,590円まで急騰。たった1銘柄で、日経平均を約473円も押し上げました。

きっかけは、日本のニュースではありませんでした。前日、アメリカの中央銀行にあたるFRBの理事の、たった一つの発言だったのです。

「なんで、アメリカの1人の発言が、こんなに大きな影響を持つの?」

今日はこの「なんで?」を一緒に読み解きながら、金利と株価の関係を、実際の数字で確認していきましょう!

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きっかけは「ウォラー理事」の発言だった

前日(9月3日)、アメリカのFRB(連邦準備理事会)のクリストファー・ウォラー理事が、講演でこんな発言をしました。

「インフレ動向について、鈍化の兆しが見られ始めている。今後のデータでこの傾向が続くなら、9月15〜16日に開くFOMC(金融政策を決める会合)で、政策金利の据え置きを支持したい」

少し難しい言葉が並んでいますが、かみ砕くとこういうことです。

「最近、物価の上昇が落ち着いてきているように見える。このまま落ち着いた状態が続くなら、今は金利を上げなくてもいいのではないか」

市場では、この発言の直前まで「9月に利上げがあるかもしれない」という警戒が高まっていました。ウォラー理事の発言を受けて、金融市場で予想されている9月の利上げ確率は、約65%から50%へと急速に低下しました。

なぜ「利上げが遠のく」と、株価が上がるのか

この関係は、カブサーで学んできた通りの、シンプルな理屈です。

一般的に、「利上げ=株価にとってマイナス材料」「利上げが遠のく=株価にとってプラス材料」と受け止められることが多いです。

今回もこの理屈通りに、株式市場は反応しました。この発言を受けて、アメリカの株式市場でダウ工業株30種平均は前日比624ドル高、ハイテク株中心のナスダック総合指数も366ポイント高と、大きく上昇しました。

日本の長期金利も、一緒に動いた

面白いのは、この影響が為替や金利にも広がったことです。

日本の長期金利は、9月1日に一時3.00%という節目に到達したばかりでした。それが、ウォラー理事の発言を受けて、2.89%まで低下しました。

たった数日で、大きな節目だった3%から、また少し下がったことになります。世界の金利は互いに影響し合っていて、アメリカの金利見通しが変わると、日本の金利にも波及することが、今回のケースからよく分かります。

なぜ「金利が下がる」と、ソフトバンクGのようなハイテク株が特に上がるのか

ここが今日の一番大切なポイントです。

カブサーの長期金利3%到達記事で、こんな話をしましたね。

「将来の成長への期待が大きく、現在の利益に対して株価が高くなっている会社ほど、金利の影響を受けやすい」

理由は、投資家が「将来、会社が生み出すであろう利益」を、今の価値に計算し直して株価を考えているためです。この計算のときに使われる割合のことを「割引率(わりびきりつ)」と呼びます。

金利が上がると、この割引率も上がり、将来の利益が今の価値に換算されたときに、より小さく見積もられてしまいます。逆に、金利が下がると割引率も下がり、将来の利益が今の価値でより大きく評価されやすくなるのです。

つまり「金利が下がる」というニュースは、将来性への期待が大きい会社ほど、株価が押し上げられやすいという関係があります。

ソフトバンクグループは、AI関連企業への投資を積極的に行っている、まさに「将来への期待」で評価されている会社の代表格です。今回、金利低下のニュースに、ソフトバンクGの株価が特に大きく反応したのは、この理屈にぴったり当てはまっています。

もう一つの追い風!傘下の「アーム」株の上昇

ソフトバンクGの急騰には、もう一つの理由もありました。

ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社「アーム・ホールディングス」の株価が、前日のアメリカ市場で3.29%上昇していたのです。

ソフトバンクグループはアームの筆頭株主です。アームの株価が上がると、ソフトバンクグループが持っている資産の価値も一緒に上がるため、ソフトバンクグループ自身の株価も押し上げられます。

「金利低下という追い風」「保有資産(アーム株)の上昇という追い風」が重なったことで、+11.78%という大きな上昇になったのです。

「2銘柄で上げ幅の8割」という、指数の仕組み

ここで、もう一つ興味深いデータを紹介します。

今日の日経平均の上げ幅は806円でしたが、そのうちソフトバンクグループが約473円、半導体検査装置のアドバンテストが約195円、合わせて2銘柄だけで約669円、実に8割を占めていたことが分かっています。

これは、株価が高い会社(値がさ株)ほど、日経平均への影響力が大きくなるという、日経平均の計算方法の特徴が、そのまま表れた結果です。

「日経平均が806円上がった」と聞くと、市場全体が幅広く盛り上がったように感じるかもしれません。でも実際には、ごく一部の値がさ株の動きが、指数全体の見た目を大きく左右していたということが、このデータから分かります。

業種によって、明暗が分かれた一日でもあった

今日は、東証33業種で見ると、情報・通信業、証券・商品先物取引業、非鉄金属が上位に並んだ一方、前日まで買われていた鉱業、海運業、電気・ガス業は下げていました。

金利低下という追い風が吹く中でも、業種によって値動きは異なります。「金利が下がった」というニュース一つをとっても、その恩恵を受けやすい業種と、そうでない業種があることが、今日の値動きからも見て取れます。

投資家として、今日から学べること

今回の出来事から、投資家として大切な視点を整理しましょう。

① 要人の発言一つで、市場は大きく動くことがある

経済指標の発表だけでなく、中央銀行の関係者の発言一つで、市場の見通しが大きく変わることがあります。「誰が、何を言ったか」に注目することも、投資家にとって大切な習慣です。

②「金利が下がる」というニュースは、将来性への期待が大きい会社への影響が特に大きい

金利の変化は、すべての会社に同じように影響するわけではありません。将来への期待が大きい会社ほど、金利の動きに敏感に反応しやすい、という関係を覚えておくと、ニュースの理解が深まります。

③指数の上げ幅を支えているのが誰かを確認する

「日経平均が大きく上がった」というニュースを見たとき、「具体的にどの会社が、どれくらい指数を押し上げたのか」まで確認することで、市場の本当の姿がより正確に見えてきます。

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
FOMCアメリカの金融政策を決める会合。日本の金融政策決定会合にあたる
利上げ確率金融市場が予想する、利上げが実施される可能性の高さ
割引率将来の利益を、今の価値に計算し直すときに使われる割合
ハイテク株AI・半導体・IT関連など、将来の成長への期待が大きい会社の株

アメリカの高官のたった一つの発言が、金利を動かし、為替を動かし、そして海を越えて日本のソフトバンクグループの株価を、1日で11.78%も動かしました。

次に「FRB高官が発言した」というニュースを見たとき、「これは利上げに前向きな発言か、それとも慎重な発言か」を確認してみてください。その一言が、数日後の日本の株式市場にまで影響を及ぼすかもしれません!


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