2026年7月13日、日本の株式市場でこんなことが起きました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額が42兆円となり、日本企業の中でトップになりました。
「三菱UFJって、あの銀行?」と思った人も多いはずです。そうです、街中にATMがあるあの銀行グループです。
しかも、トヨタ自動車・ソフトバンクグループ・キオクシアという、カブサーで何度も登場した会社をすべて抜いてのトップです。
銀行が日本一になるのは、1986年の住友銀行以来、約40年ぶりのことです。
「なんで今、銀行が注目されているの?」と思いますよね。
今日はその「なんで?」を一緒に考えながら、投資家のお金が動く理由を学んでいきましょう!

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昨日は「大荒れ」だったのに、三菱UFJだけ上がった
実は7月13日の株式市場は、とても荒れた一日でした。
SKハイニックスの記事でも紹介しましたが、韓国の半導体株が大暴落して、日経平均も1315円安という大きな下落になりました。
AI・半導体関連の株が一斉に売られる中、三菱UFJだけが逆に3%近く上がって、時価総額トップになったのです。
「みんなが下がっているのに、なぜ銀行だけ上がるの?」
この疑問の答えが、今日のポイントです。
銀行が強くなる理由とは?「金利」との関係
銀行と金利(きんり)は、切っても切れない関係があります。
金利とは「お金を貸し借りするときにかかる費用の割合」のこと。
銀行のビジネスはシンプルです。
「みんなから低い金利でお金を預かり、企業や個人に高い金利でお金を貸す」
この「預かる金利」と「貸す金利」の差が、銀行の利益になります。
金利が上がると、この差が大きくなって、銀行の利益が増えやすくなるのです。
今の日本は、日銀が30年ぶりの高水準となる1%まで政策金利を上げています。しかも市場では「まだ上がる」という見方が広がっています。
「これからもっと銀行が儲かるかも!」という期待が、投資家の三菱UFJ株への買いにつながっているのです。
三菱UFJの業績も本物
期待だけでなく、実際の業績も好調です。
- 2026年度の連結純利益の見通し:2兆7000億円(前の年より11%増)
- 4年連続で過去最高益を更新する見通し
さらに、三菱UFJは「メガバンク」と呼ばれる日本最大級の銀行グループです。日本国内だけでなく、アメリカやアジアなど海外でも大きなビジネスをしています。世界中でお金を稼げる会社、ということです。

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AI・半導体からお金が「移動」している
ここで、投資家目線のとても重要な話をします。
カブサーでこれまで学んできたように、今年の株式市場はずっとAI・半導体関連株が大人気でした。SBGがトヨタを抜いて日本一になり、キオクシアが56兆円の時価総額になり…そういう話を何度も紹介してきましたね。
でも最近、少し変化が起きています。
AI・半導体株が高くなりすぎたため、「もう上がりすぎじゃないか?」「違う会社に投資しよう」と考える投資家が増えてきました。
投資家のお金が、ある業種から別の業種に移っていく動きを「資金ローテーション」といいます。
今まさに「AI・半導体から銀行・金融へ」という資金ローテーションが起きているのが、三菱UFJがトップになった背景の一つです。
「40年ぶり」の意味を少し知っておこう
1986年。今から40年前に何があったのかを少し紹介します。
1980年代後半の日本はバブル経済(地価や株価が実態より大きく膨らんだ時代)の真っ只中で、銀行株もとても高い評価を受けていました。
その後、バブルが崩壊し、銀行は大量の不良債権(ふりょうさいけん:貸したお金が返ってこなくなったもの)を抱えて長く苦しみました。そして「ゼロ金利」や「マイナス金利」という超低金利の時代が約30年も続き、銀行は利益を出しにくい状況が続きました。
それが今、金利の上昇とともに銀行が復活してきた。だから「40年ぶりの金融復権(復活)」と呼ばれているのです。
同じ「日本一」でも、その意味が違う
カブサーではこれまで、何度か「日本一の時価総額」の変化を追ってきました。
| 時期 | 時価総額トップ | 理由 |
|---|---|---|
| 〜5月末 | トヨタ自動車 | 「モノづくり日本」の象徴 |
| 6月1日 | ソフトバンクグループ | OpenAI・AI投資への期待 |
| 6月12日 | キオクシア | AI向けメモリー需要の爆発 |
| 7月13日 | 三菱UFJ | 金利上昇・銀行業績への期待 |
わずか2ヶ月の間に、日本一がこれだけ変わっています。
トップが変わるたびに「時代が何を求めているか」が映し出されています。AI投資への期待→メモリー需要の爆発→そして今度は金利上昇による銀行の復活、という流れです。
株主への還元も大きな理由
もう一つ、投資家が三菱UFJを買いたがる理由があります。
配当金(はいとうきん)が手厚いことです。三菱UFJを含めた3つのメガバンクが株主に払う配当金の合計は、2026年度に初めて年間2兆円を超える見通しです。
カブサーの総合商社記事で「株主を大切にする会社が評価される」という話をしましたね。三菱UFJもまさに、株主にしっかりお金を返す会社として評価されています。
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 時価総額 | 株価×株式数で計算した、会社全体の値段 |
| メガバンク | 三菱UFJ・みずほ・三井住友という日本の3大銀行グループ |
| 資金ローテーション | 投資家のお金が、ある業種から別の業種に移っていく動き |
| 不良債権 | 貸したお金が返ってこなくなったもの。バブル崩壊後の銀行を苦しめた |
| 金融復権 | 長く低迷していた金融業界が、再び力を取り戻すこと |
「銀行が日本一になった」というニュースを聞いて「ふーん」で終わらせるのか、「なぜ今?金利との関係は?AI株との違いは?」と考えるのか。その差が、投資家としての見え方を大きく変えます。
次に街でATMを見かけたとき、「この銀行、今すごいことになってるんだ」と思い出してみてください!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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