【投資家目線で読む】エヌビディアが三菱重工と組んだ!「AIが熱くなりすぎる問題」って何?

突然ですが、みなさんに質問です。

ゲームを長時間やっていると、ゲーム機やスマートフォンが熱くなることはありませんか?

「あちっ!」ってなるやつです。

実は今、世界中でAI(人工知能)を動かすコンピューターが、それと同じ問題で困っています。しかもその規模は、ゲーム機の比ではありません。

2026年7月14日の夜、こんなニュースが出ました。

「エヌビディアと三菱重工業が、AIのデータセンターの電力・発熱問題を解決するために手を組む」

「ゲームのチップを作る会社と、ロケットや発電設備を作る会社が、なぜ?」

今日はこの「なんで?」を一緒に考えながら、AIが抱える意外な問題と、そこに注目している投資家の視点を学んでいきましょう!

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そもそも「データセンター」って何?

AIを動かすためには、とてつもないパワーを持つコンピューターが必要です。

そのコンピューターをたくさん集めて、24時間365日動かし続けている建物のことをデータセンターといいます。

ChatGPTに質問するとき、その答えを考えているのは、どこかのデータセンターの中にある大量のコンピューターです。

ただし、こういった高性能なAI用のコンピューターには大きな問題があります。それが「電気をものすごく食う」ということです。

どのくらい電気を使うの?

少し数字で見てみましょう。

普通のコンピューターのサーバーラック(複数の機械を収めた棚)1台が使う電力は、約5〜10キロワット。これは家庭用エアコン2〜3台分くらいです。

ところが、エヌビディアのAI用チップを積んだ最新のサーバーラック1台は、その10倍以上の電力を使います。

しかも、データセンターにはそういったサーバーが何千台、何万台と並んでいます。

国際エネルギー機関(IEA)という世界のエネルギーを調査している機関によると、世界のデータセンターが使う電力の量は、2030年までに今の2倍以上に増える見込みです。しかもAI専用のデータセンターだけで見ると、4倍以上になると予想されています。

これはなんと、日本全体が今使っている電気の量と同じくらいになるとも言われています。

電気を使いすぎると、何が起きるの?

電気をたくさん使うと、必ず熱が出ます。

ゲーム機が熱くなるのと同じ理屈です。でも、ゲーム機なら少し休ませれば冷えます。

データセンターは24時間止めることができません。そのまま熱くなり続けると、機械が壊れてしまいます。だから「冷やす」ことが、AIを動かし続けるためのとても大切な課題になっているのです。

従来の空冷(エアコンと同じ仕組みで空気を使って冷やす方法)では、今のAI用チップの熱をもう追いつかなくなってきました。

そこで注目されているのが「液冷(えきれい)」です。水などの液体を使って冷やす方法で、空気より何十倍も効率よく熱を奪うことができます。

なぜ三菱重工が注目されるの?

三菱重工業(7011)という会社は、ロケット・発電所・船舶などを作る日本を代表する重工業メーカーです。「重工業」と聞くと、なんとなくAIとは無関係に聞こえますよね。

でも実は、三菱重工はこんな技術を持っています。

  • 冷却システム(大型の機械や建物を冷やす技術)
  • エネルギー管理システム(電力を効率よく使うための技術)
  • ガス火力タービン(発電所のエンジンで、世界トップクラスのシェア)

これらはまさに「電気を大量に使って熱くなるデータセンターを支える」のに必要な技術です。

三菱重工はすでに今年3月に、北米のAIデータセンター向けの高性能な冷却機を投入する計画を発表しています。また今年春には、富士通のデータセンターで冷却システムのエネルギー使用量を7.6%削減できることも確認しました。

これを見たエヌビディアが「一緒にやろう」と手を組んだのが、今回のニュースです。

エヌビディアは世界中に「AIファクトリー」と呼ぶ次世代データセンターを作ろうとしています。そこに三菱重工の冷却・電力管理の技術を組み込む、という計画です。

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投資家はこのニュースをどう見た?

7月15日の東京市場で、三菱重工の株価は前日比2.9%高の3,855円と上昇しました。

「エヌビディアと組む→AIデータセンターの仕事が増える→三菱重工の売上が増えるかも」という期待が、買いにつながりました。

さらにこのニュースで注目が集まっているのが、「サーバー冷却」というテーマです。三菱重工以外にも、冷却に関係する会社の株が買われています。

  • ダイキン工業(6367)
    エアコンで世界的に有名な会社。データセンター向けの空調技術も持っています
  • 富士電機(6504)
    冷却時の電力を最大85%削減できる世界初の新技術「エジェクタ冷却機」を今年6月に発売したばかりです

「AIの次のテーマ」は冷却と電力

カブサーでこれまで「AI=チップ・半導体の話」として学んできました。エヌビディア・マイクロン・キオクシア・東京エレクトロン——みんなAIを動かすチップや部品を作る会社でしたね。

でも今日のニュースが教えてくれるのは、AIには「チップの次の問題」があるということです。

「どれだけ高性能なチップを作っても、それを冷やして、電力を供給し続けられなければ、AIは動かせない」

この問題が大きくなってくると、「冷やす会社」「電気を供給する会社」が新しい投資のテーマになってきます。半導体から冷却・電力へ。これが今、投資家の目が向き始めている次の波です。

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
データセンターAIや各種サービスを動かす大量のコンピューターが集まった建物
液冷水などの液体を使ってコンピューターを冷やす方法。空冷より効率が高い
AIファクトリーエヌビディアが世界各地に作ろうとしているAI専用のデータセンター
エネルギー管理システム電力を効率よく使うための仕組みや装置

次にエアコンや冷蔵庫を見たとき、「これの技術が、AIを動かすために世界中で必要になっているんだ」と思い出してみてください。

身近なところにある「冷やす技術」が、実は世界のAI競争の新しい主役になっているのです!


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