2026年6月、外国為替市場でこんなニュースが流れています。
「円相場が39年半ぶりの安値に迫る」
1ドル=161円台後半。カブサーの為替介入記事を覚えている人なら、「あれ、4月に政府が5兆円も使って円を買ったのに、また安くなってるの?」と思うかもしれません。
そうなんです。実はここ、投資家として今いちばん注目すべきポイントです。
「政府がまた介入するかもしれない」という警戒が強まっているのに、市場では「今回はその効果が続かないかも」という懐疑論が広がっている。
今日はこの「なんで効きにくくなっているの?」を一緒に読み解いていきましょう!

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おさらい:「39年半ぶり」ってどれくらい前?
1986〜1987年ごろというと、今から約39年前。当時は「バブル経済」が始まろうとしていた時代です。それ以来、円がこれほど安くなったことはなかったということです。
カブサーの為替介入記事で学んだ通り、円安は「日米の金利差」や「世界的な不安からドルが買われる」ことなどで進みます。今回はそこに加えて、もう一つ大きな要因が動いています。
4月の介入と、今回の違い
4月30日、政府・日銀は5〜6兆円規模の円買い介入を実施し、1ドル=160円台後半から155円台まで一気に円高に戻しました。
ところが、その後また円安が進み、今は161円台後半まで戻ってきています。
「介入したのに、また元に戻った」
なぜこんなことが起きるのでしょうか?
ここで投資家が必ず確認するのが、「誰が円を売っているのか」という視点です。
カギは「投機筋」という存在
投機筋(とうきすじ)とは、ヘッジファンドなど、為替の値動き自体を利用して短期間で利益を狙う投資家グループのことです。
実際に貿易や留学などで「お金が必要だから両替する」という人たちとは違い、投機筋は「円が安くなりそうだから今売って、後で買い戻して儲けよう」という発想で動きます。
政府が介入で一番警戒しているのは、この「投機的な動き」です。なぜかというと、実需(本当に必要な両替)による円安なら自然な範囲ですが、投機筋が一斉に同じ方向へ動くと、相場が実態以上に大きく振れてしまうからです。
投機筋の円売りが、過去最大規模に
米商品先物取引委員会(CFTC)の集計によると、ヘッジファンドなど投機筋による円の売り持ち高が、4月の介入前の水準を超え、さらにその後も拡大が続いています。投機筋が「円はまだ下がる」と考えて、円を売る動きを強めているということです。
「投機的な円売りは危険水域に入ってきた」
市場関係者からは、こんな声も上がっています。
なぜ「再介入の効果」に懐疑論が出ているの?
ここが今日の核心です。理由は大きく2つあります。
理由① 円安・ドル高の圧力がそもそも強い
2年前(2024年)に円が大きく下がったときと比べても、今回の円安・ドル高の圧力はむしろ強いと見られています。
世界的にドルが「平時の買い」(安全資産として安定的に買われる動き)を集めていることに加え、日米の金利差・原油価格の動向など、複数の要因が重なって円売りの土台を作っています。介入は「一時的に流れを止める」効果はあっても、この土台そのものを変えることはできないのです。
理由② 同じ薬を繰り返すと効きにくくなる現象
4月の介入は「連休中の薄商いを狙った奇襲」という側面もありました。
でも、同じ手を繰り返すと、市場の参加者は「あ、またこのパターンか」と学習していきます。サプライズの効果が薄れ、介入直後は一時的に円高に戻っても、その後すぐに元の水準に戻ってしまう、という「効果の持続性」への疑問が、今回の懐疑論の中心になっています。

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「投機」という言葉が政府の発言から消えた?
ここでもう一つ、投資家がよく注目する「言葉の変化」を紹介します。
これまで日本の財務相は、円安をけん制するとき「投機的な動きには断固たる措置を取る」という表現を多用してきました。ところが、最近の発言ではこの「投機」という言葉が使われにくくなっているという指摘があります。
なぜでしょうか?理由として考えられているのは、「今回の円安再燃は、投機筋の一方的な円売りだけが原因ではなく、もっと構造的な要因(金利差・原油高など)が大きいから」という可能性です。
投機筋が主犯なら、介入で投機の手を縛れば効果が出やすいですが、原因が構造的なものなら、介入だけでは解決できません。「言葉の選び方」一つからも、政府が今回の円安をどう見ているかが読み取れる、というのは投資家らしい視点です。
投資家目線で見る「円安39年半ぶり」の影響
カブサーでこれまで学んできたことを思い出しながら、整理してみましょう。
円安が続くと、誰が得をして誰が困るのか
| 立場 | 影響 |
|---|---|
| 輸出企業(トヨタなど) | 海外で稼いだドルが円換算で増える=追い風 |
| 輸入企業・消費者 | 食料・エネルギーなどの輸入コストが上昇=逆風 |
| 海外投資家 | 日本株が「割安」に見えやすく、買いが入りやすい |
| 海外旅行者(日本から) | 海外での買い物・旅費が高くなる |
トヨタ記事・日経平均7万円記事で学んだ「円安が輸出企業の業績を見た目以上に良く見せる」という構造は、今回もそのまま当てはまります。
でも、いいことだけではない
輸入品の値段が上がり続けると、国内のインフレがさらに進みます。すでに利上げを実施した日銀ですが、円安が止まらないと、追加の利上げ判断にも影響してくる可能性があります。
投資家がこれから注目するポイント
今回のテーマから、投資家として注目すべき視点を整理しましょう。
①「介入があったかどうか」だけでなく「効果がどれだけ続くか」を見る
介入のニュースが出た瞬間だけでなく、その後数日〜数週間、円安に戻っていないかを継続的に確認することが大切です。
②「投機筋のポジション」という統計に注目する
CFTC(米商品先物取引委員会)が毎週発表する投機筋の円売り・円買いのデータは、市場のムードを数字で確認できる貴重な情報源です。
③政府の発言の「言葉」に注目する
「断固たる措置」「投機的な動き」など、政府がどんな言葉を使うかで、介入に踏み切るかどうかの本気度を推測することができます。
まとめ:円安39年半ぶりを整理しよう
| キーワード | 意味 |
|---|---|
| 投機筋 | 値動きを利用して短期的な利益を狙う投資家(主にヘッジファンド) |
| 実需 | 貿易や留学など、実際に必要な目的での両替 |
| 円買い介入 | 政府・日銀がドルを売って円を買い、円高方向へ誘導する政策 |
| 介入の持続性 | 介入の効果がどれくらいの期間続くか |
| CFTC統計 | 投機筋の通貨ポジションを示す、市場の注目データ |
円安は一つの出来事ではなく、金利差・原油価格・投機筋の動き・政府の対応など、複数の要因が絡み合って動いています。「介入があったから安心」ではなく、「なぜ効きにくいのか」「次に何が起きるか」を考え続けることが、投資家としての視野を広げてくれます。
今後、政府が再び介入に踏み切るのか、それとも別の対応を取るのか。ぜひニュースをリアルタイムで追いかけてみてください!
- 本記事は新NISA制度の一般的な内容を解説する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や投資行動を推奨・勧誘するものではありません。制度の詳細は今後の法改正等により変更される可能性があるため、最新の情報は金融庁や各金融機関の公式情報をご確認ください。また、投資には価格変動によるリスクが伴い、将来の投資成果を示唆または保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身(または保護者の方)の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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