【投資家目線で読む】政府が5兆円使って円を買った!?「為替介入」のしくみと株価への影響をやさしく解説

2026年4月30日、日本の金融市場で「事件」が起きました。

なんと政府・日銀が、たった5時間で5兆〜6兆円規模の円買い介入を実施したのです。

「5兆円って、どれくらいの金額?」とピンとこない人もいるかもしれません。東京スカイツリーを約1000本建てられるくらいの金額です。それを5時間で一気に動かした、ということです。

この介入を受けて、円の値段は1ドル=160円台後半から155円台へと急騰。1日で5円以上も動く大波乱の展開になりました。

「為替介入って何?」「なぜ連休中にやるの?」「株価にはどう影響するの?」

今日はこの「なんで?」を一緒に追いかけながら、投資家として絶対に知っておきたい「為替介入」のしくみを学んでいきましょう!

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そもそも「為替介入」って何?

為替介入(かわせかいにゅう)とは、政府・日銀が外国為替市場に直接参加して、大量の通貨を売買することで円の値段を調整する政策のことです。

今回行われたのは「円買い介入」です。政府がドルを大量に売って、その代わりに円を大量に買うことで、円の値段を上げようとしました。

ちょっとイメージしにくいかもしれないので、こんなたとえで考えてみましょう。

クラスで人気のトレーディングカードがあるとします。みんなが「このカード欲しい!」と争って買いに来れば、値段はどんどん上がります。逆に「このカード大量に売るよ!」という人が現れたら、値段は下がります。

為替も同じです。「円を大量に買います!」という巨大なプレイヤー(政府)が登場すれば、円の値段(円高)が上がるのです。

なぜ今、円安が進んでいたの?

介入の背景を理解するために、なぜ円安が起きていたかを整理しましょう。

原因① 中東情勢の不安「有事のドル買い」

カブサーでも学んだ中東情勢の悪化で、世界の投資家が「安全な通貨」に逃げ込もうとしました。このとき選ばれるのが「ドル」です。「有事のドル買い」と言い、世界で不安が広がるとドルが買われて円が売られ、円安が進みます。

原因② 日米の金利差

アメリカの金利は高く、日本の金利は低い。同じお金を持つなら、金利の高いアメリカに預けた方が得です。だから世界の投資家が円を売ってドルを買う流れが続いていました。

こうして4月30日には一時1ドル=160円台後半という、1年9カ月ぶりの円安水準まで進んでしまったのです。

なぜ「大型連休中」を狙ったの?

今回の介入で市場関係者を驚かせたのが、ゴールデンウィーク中の夜というタイミングです。これには投資家目線で見るとよくわかる理由があります。

「薄商い(うすあきない)」という言葉をご存知ですか?大型連休中(祝日に挟まれた谷間の平日など)はお休みをとる投資家が多いため、市場に参加しているプレイヤーが少なくなります。参加者が少ないということは、少ないお金でも相場を大きく動かせるということです。

投機筋(相場の値動きを使って短期間で利益を狙う投資家)は、こういう薄商いの時間帯に仕掛けを行いやすくなります。これを「売り仕掛け」といい、さらに円安を加速させる原因になります。

財務省はこの「薄商い」を逆手に取りました。市場の参加者が少ないタイミングに大量の介入を行うことで、少ない弾薬で最大の効果を出そうとしたわけです。三村財務官はこれを「投機筋への狙い撃ち」と表現しました。

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為替介入で株価はどう動く?

ここが投資家にとって一番大事なポイントです。

円高になると、すべての株が下がるわけではありません。「円高で得する会社」「円高で損する会社」がはっきり分かれます。

円高になると「損する」会社(輸出企業)

トヨタ・ソニー・任天堂など、海外で稼いでいる会社は円高になると困ります。なぜかというと、海外でドルで稼いだお金を日本に持ち帰ると、円高のぶんだけ円に換算した金額が減ってしまうからです。

例えば、1ドル=160円のときに100ドル稼ぐと1万6000円ですが、1ドル=155円になると1万5500円。同じ100ドルでも、受け取れる円が500円も減ってしまいます。

実際に今日の東京市場では、輸出企業の株価が下落する場面がありました。

円高になると「得する」会社(輸入企業)

逆に、海外からモノを輸入して日本で売っている会社は円高が追い風です。輸入コストが下がるため、利益が増えやすくなります。

今日のニュースで神戸物産(業務スーパー)の株が5%急騰したのはこのためです。業務スーパーは食材の多くを海外から輸入しているため、円高になるとコストが下がって利益が増えるという構造なのです。

会社のタイプ円高の影響代表的な業種
輸出企業損する(売上が目減り)自動車・電機・ゲーム
輸入企業得する(コストが下がる)食品・小売・航空
内需企業あまり関係ない不動産・建設・サービス

「介入の効果は長続きしない」投資家が注目するポイント

一方で、為替介入には大きな限界があることも知っておきましょう。

円安が進む根本的な原因(日米の金利差・中東情勢の不安)が解決されていない以上、介入で一時的に円高になっても、また円安に戻ってしまう可能性があります。実際に介入翌日の5月1日は、一時155円台まで上昇したものの、その後157円台前半に戻す場面がありました。

投資家はこう考えます。「介入は嵐の中に立てた看板。根本の嵐が止まなければ看板はいずれ倒れる」

そのため為替介入があったからといって「もう円安は終わり」と楽観するのではなく、日米の金利差がいつ縮まるか・中東情勢がいつ落ち着くかを引き続き注視することが大切です。

まとめ:為替介入を投資家目線で整理しよう

キーワード意味
為替介入政府・日銀が大量の通貨を売買して円の値段を調整すること
円買い介入ドルを売って円を買い、円高方向に誘導する介入
薄商い市場参加者が少ない状態。値動きが大きくなりやすい
有事のドル買い世界で不安が広がるとドルが買われて円が売られる現象
輸出企業vs輸入企業円高は輸出企業に不利・輸入企業に有利

今回の為替介入は「政府が市場に直接手を入れた」という、投資家として一生に何度も経験できないような大きな出来事です。

「円が動く→株が動く」という連鎖を、ぜひ今日のリアルな動きを通じて体感してみてください。こういう経験の積み重ねが、投資家として成長していく一番の近道です!


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