【投資家目線で読む】バフェットも惚れた!総合商社って何をしている会社?決算から読み解く日本最強ビジネスモデル

みなさん、「三菱商事・伊藤忠商事・三井物産って何をしている会社?」と聞かれたら、どう答えますか?

「なんでもやってる会社!」

そう答える人がほとんどです。実はこれ、間違いではないのですが、それだけでは説明しきれない本質があります。

その本質こそが、世界一の投資家ウォーレン・バフェットが「これは素晴らしいビジネスだ!」と大絶賛して大量に株を買い、その後継者アベル氏も今週の株主総会で改めて注目した理由です。

2026年5月1日、大手商社7社の2026年3月期決算が出揃いました。来期(2027年3月期)は全社増益予想という好調ぶりです。今日はこの決算を読み解きながら、「総合商社って何がすごいの?」を一緒に学んでいきましょう!

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まず総合商社って何をしている会社?

一言で言うと、「世界中のモノとカネと情報をつなぐ会社」です。

もう少し丁寧に説明しましょう。例えばみなさんが食べているバナナを考えてみてください。

  1. フィリピンの農園でバナナが育てられる
  2. 船で日本に運ばれてくる
  3. 全国のスーパーに届く
  4. 消費者が買う

この①から④までの流れを「サプライチェーン(供給の連鎖)」と言いますが、総合商社はそのどこにでも顔を出して、つなぎ役を果たしながら稼ぐ会社です。バナナだけではなく、石油・天然ガス・鉄鉱石・食品・薬・不動産・ITまで、ありとあらゆる分野で世界中のサプライチェーンに絡んでいます。

投資の世界でよく使う「川上・川下」という言葉があります。

  • 川上(かわかみ)
    原料・資源など「最初のところ」(鉱山・農場など)
  • 川下(かわしも)
    消費者に近い「最後のところ」(小売・サービスなど)

総合商社は川上から川下まで、サプライチェーン全体に関わって利益を生み出す、世界でも珍しいビジネスモデルを持っています。

バフェットはなぜ日本の商社株を買ったの?

「世界一の投資家」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が2020年、日本の5大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)の株を大量に買ったことが世界を驚かせました。その後も買い増しを続け、保有比率は各社10%超にまで達しています。

今週、バフェット氏の後継者グレッグ・アベル氏が初めて株主総会に登壇し、「商社株は米国の優良企業と同等に重要な位置付けだ」と改めて強調しています。

なぜバフェットは商社株を選んだのでしょうか?理由はシンプルです。

① 割安だった

2020年当時、日本の商社株は純資産の半分以下の値段でしか売られていませんでした。「こんな良い会社がこんなに安く買えるの?」とバフェットは感じたのです。

② 世界中に分散された収益源を持っていた

一つの国や業種に依存せず、世界中の様々なビジネスから収益を得る構造は、まさにバフェットが好む「多様な強みを持つ会社」そのものでした。

③ 株主への還元が手厚い

商社各社は毎年安定した配当を出し続け、自社株買いも積極的に行っています。バフェットはこういった「株主を大切にする会社」が大好きです。

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今回の決算で何がわかった?

さて、5月1日に出揃った決算で何が明らかになったのかを整理しましょう。

伊藤忠商事が商社トップを確立

今回最も注目されたのが伊藤忠商事(8001)です。2026年3月期の純利益は前期比2%増の9000億円で、2期連続で過去最高益を更新しました。さらに来期(2027年3月期)は6%増の9500億円を予想し、3年連続最高益を目指します。

注目は12期連続増配(12年間ずっと配当を増やし続けている)と、3000億円以上の自社株買い計画です。

伊藤忠の強さの秘密は「利は川下にあり」という経営哲学です。資源価格が上下する川上ビジネスよりも、ファミリーマートのような消費者に近い川下ビジネスを軸にしているため、景気に左右されにくい安定した収益構造を持っています。

三菱商事・三井物産は今期減益、来期大幅回復

一方、三菱商事(8058)三井物産(8031)は今期(2026年3月期)に資源価格の下落などで減益となりましたが、来期は三菱商事が37%増益、三井物産も増益・増配を予想しています。

これは「減益だから悪い会社」というわけではありません。一時的な要因で下がっても、翌年に回復する力があるかどうかが大切です。来期の大幅回復予想は「実力がある会社の一時的な調整」と見ることもできます。

住友商事は株価17%急騰・上場来高値更新

住友商事(8053)は決算発表と同時に自社株買い800億円と株式4分割を発表し、株価が17%急騰して上場来高値を更新しました。

株式分割とは1株を複数株に分けること。例えば4分割なら1株が4株になります。値段は4分の1になりますが、1株あたりの値段が下がるので「買いやすくなった!」と感じる投資家が増えて株価が上がりやすくなります。

投資家目線で整理しよう!資源依存vs非資源の違い

今回の決算で最もよく分かったのが、各社の戦略の違いです。

会社戦略の軸2026年3月期来期予想
伊藤忠商事(8001)非資源(川下)重視最高益9000億円3年連続最高益へ
三菱商事(8058)資源×非資源バランス減益37%増益予想
三井物産(8031)資源(川上)重視減益増益・増配予想
住友商事(8053)非資源拡大中増益上場来高値更新
丸紅(8002)非資源けん引増益最高益予想

ここから読み取れる大きなトレンドは「資源に頼らない収益の柱を作れた会社が強い」ということです。石油や鉄鉱石の価格は世界情勢によって大きく上下しますが、コンビニや食料品の需要は景気が悪くても安定しています。

総合商社から学ぶ3つの投資の視点

視点① 「何で稼いでいるか」の構造を見る

同じ商社株でも、資源に強い会社と非資源に強い会社では、資源価格が動いたときの株価の動き方が全く違います。ニュースで「鉄鉱石の価格が下落」と出たとき、「これは三井物産に影響するな」と連想できるのが投資家の目線です。

視点② 株主還元の積極性を見る

配当が増え続けているか(累進配当)、自社株買いを積極的にしているか。これらは「会社が株主のことを大切にしているか」を示すバロメーターです。特に「12期連続増配」の伊藤忠のような会社は、長期で持ち続けることで受け取れる配当がどんどん増えていきます。

視点③ バフェットが買う理由を自分で考える

「バフェットが買っているから安心」ではなく、「なぜバフェットはこの会社を選んだのか?」を自分で考えることが大切です。割安かどうか、世界中に分散された収益があるか、株主還元は手厚いか。この視点で他の会社も見られるようになれば、投資家としての目が格段に上がります。

まとめ:「なんでもやってる」の本当の意味

キーワード意味
サプライチェーン原料から消費者までの供給の連鎖
川上・川下川上=資源・原料、川下=小売・消費者に近いビジネス
累進配当業績に関わらず配当を増やし続けること
自社株買い会社が自分の株を市場で買い戻すこと。株主への還元策の一つ
株式分割1株を複数株に分割して株価を下げ、買いやすくすること

総合商社は「なんでもやっている」のではなく、「世界中のサプライチェーンをつないで、そこから生まれる価値を取りにいっている」会社です。

バフェットがこれを見抜いて大量に買ったという視点を自分のものにできたとき、みなさんの投資家としての目線は一段階上がっているはずです!


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