2026年6月18日、日本の株式市場で歴史的なニュースがありました。
日経平均株価が、終値で初めて7万円台に到達しました。
「すごい!日本の株はめちゃくちゃ好調なんだ!」そう思った人も多いはずです。
でも、同じタイミングでもう一つ気になるニュースが流れています。
「円安が止まらない。1ドル=160円台と、年初来で最も円が安い水準に」
「あれ、株は上がっているのに、円は安くなっている……これって、どう考えればいいの?」
今日はこの疑問を一緒に解き明かしましょう。実は、ここには「日経平均は本当に上がっているのか?」を冷静に見極めるための、投資家にとって超重要な視点が隠れています!

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まず2つの事実を確認しよう
整理すると、今こんな状況になっています。
| 2026年2月末 | 2026年6月18日 | |
|---|---|---|
| 日経平均 株価 | 約5万8,000円 | 7万円台 →約+21% |
| 円相場 (1ドル) | 約152円 | 約160円 →約5%安くなった |
2026年2月末と比較して「日経平均が21%も上がった!」というのは、正しい事実です。
でも同時に「円の価値が5%下がった」というのも、正しい事実です。
この2つを組み合わせて考えると、「日経平均の伸び」の中には、実際の会社の成長分と、単に円が安くなったことで数字が大きく見えている分が混ざっている可能性があります。
なぜ円安だと「株価が実質的に伸びていない」可能性があるの?
ここが今日の核心です。少し丁寧に考えていきましょう。
たとえ話で考えてみよう
あなたは毎月もらうお小遣いを貯金箱に貯めていて、海外に住むおじいちゃんにその金額を報告しています。
2026年2月末、貯金箱には15,200円貯まっていました。おじいちゃんに「これってドルでいくらになるの?」と聞くと、その時は1ドル=152円だったので「100ドルだよ」と答えてくれました。
2026年6月、お小遣いを貯め続けて貯金箱は16,000円になりました。「やった、800円も増えた!」と思って、おじいちゃんにドルでいくらになるか尋ねたら、「100ドルだよ」と言われました。
あれ?円では800円増えたのに、ドルで見ると100ドルのまま。全然増えていません。
これが「円安」の影響です。円の金額が増えても、その間に円の価値(ドルとの交換レート)が下がっていると、ドルで見た実質的な価値は思ったほど増えていない、ということが起きるのです。
日経平均も同じ理屈です。日経平均は「円」で計算されている数字です。その円自体の価値が下がっているとしたら、「円で見た日経平均の伸び」は、実際の価値の伸びよりも大きく表示されている可能性があるのです。
実際に計算してみよう「ドルで見た日経平均」
投資家はこういうとき、「ドル建て日経平均」という指標を使います。
計算方法はシンプルです。
ドル建て日経平均 = 日経平均(円) ÷ ドル円レート
実際に計算してみましょう。
| ドル円レート | 円建て日経平均 | ドル建て日経平均 |
|---|---|---|
| 2026年2月末 →152円 | 58,000円 | 約382ドル |
| 2026年6月18日 →160円 | 70,000円 (約+21%) | 約438ドル (約+15%) |
円建てでは+21%伸びていましたが、ドル建てで計算すると伸びは約+15%になります。
つまり、「+21%上がった」と思っていた日経平均は、円の価値の低下を取り除いて考えると、実質的には+15%程度の伸びだったということです。
6ポイント分の差。これが「円安によって数字が大きく見えていた部分」です。

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なぜ「円安」と「株高」は同時に起きやすいの?
実はこれ、たまたまではありません。円安と日本株高は、構造的に連動しやすい関係にあります。
連動する理由① 輸出企業の利益が「見た目」増える
カブサーのトヨタ記事でも学びましたね。トヨタのような輸出企業は海外(ドル)で売上を稼ぎます。
例えば「アメリカで100万ドル売れた」とき、1ドル=152円なら1億5200万円、1ドル=160円なら1億6000万円です。同じ100万ドルの売上でも、円安になるだけで円換算の金額が増えるのです。
この「見た目の業績アップ」が期待されて、輸出企業の株が買われ、日経平均を押し上げます。
連動する理由② 海外投資家から見ると「お買い得」に見える
カブサーの為替介入記事でも学んだ通り、円安が進むと海外の投資家からは日本の株が「割安」に見えます。
「同じ1万ドルで、前よりたくさんの日本株が買える」となれば、海外マネーが日本株に向かいやすくなります。これも株高の一因です。
つまり、「円安→輸出企業の見た目の業績アップ+海外マネーの流入→株高」という連鎖が起きやすいのです。
「じゃあ日経平均7万円はインチキなの?」そうではありません
ここで大切な注意点があります。
「円安のせいで数字が大きく見えているだけ」と聞くと、「じゃあ今回の株高はウソなんだ」と思ってしまうかもしれません。でも、それは正しくありません。
ドル建てで計算しても、日経平均は+15%程度伸びていることに変わりはありません。これは本物の伸びです。
実際、AI・半導体関連企業の好決算や、企業の収益力そのものの改善も、株価上昇の重要な要因になっています。「円安だけが理由」ではなく、「本物の成長」と「円安による見た目の上乗せ」の両方が合わさって、今回の7万円達成につながっている、というのが正確な理解です。
投資家はこの「ズレ」をどう活用するのか
「円建ての株価」と「ドル建ての株価」、この2つのモノサシを持っておくと、投資家としてこんな判断ができるようになります。
チェック①「この株高は本物か、円安頼みか」を見極める
ドル建て日経平均と円建て日経平均の差が大きいときほど、「円安に支えられた株高」の割合が大きいと判断できます。差が小さいときは「実力で上がっている株高」と言えます。
チェック②「円高に戻ったらどうなるか」を想像する
もし将来、円高方向に転換したら?輸出企業の「見た目の業績アップ」が消えて、株価が下がりやすくなる可能性があります。「円安頼みの株高」は、円の動き次第で逆回転するリスクがあるということです。
チェック③「海外投資家の目線」を持つ
海外の投資家は日々「ドル建てでどう見えるか」を気にしています。彼らの目線を想像することで、「日本国内では盛り上がっているけど、海外からは意外と冷静に見られているかもしれない」という、もう一つの視点を持つことができます。
まとめ:「2つのモノサシ」を持って株価を見よう
| キーワード | 意味 |
|---|---|
| 円建て | 普段ニュースで見る「日経平均」。日本円で計算した株価 |
| ドル建て | 円建ての日経平均をドル円レートで割った株価。為替の影響を取り除いた指標 |
| 見た目の業績アップ | 円安によって、海外で稼いだドルの売上が円換算で増えること |
| 本物の成長 | 為替の影響を除いても伸びている、会社の実力による成長 |
日経平均7万円。これは間違いなく歴史的な出来事です。でも、その内訳を「本物の成長」と「円安による上乗せ」に分けて考えられるかどうかで、投資家としての見え方が大きく変わります。
ニュースで「株価が最高値!」と聞いたとき、「じゃあ為替はどうなってるんだろう?」と一緒にチェックする。この習慣が、投資家としての視野をぐっと広げてくれますよ!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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