ハンバーガーのマクドナルド、100円ショップのセリア、作業服やアウトドア用品のワークマン。どれも、みなさんがよく知っている会社ですよね。
2026年10月7日、この3社を含む35の会社が、日本の株式市場を代表する指数「TOPIX(トピックス)」に新しく採用されることが発表されました。
一方で、683の会社が「除外候補」になるという、大きな入れ替えでもあります。
「指数に採用される」って、会社にとってどんな意味があるのでしょうか?そして、なぜ投資家たちは、このニュースに注目しているのでしょうか?今日は、このニュースを投資家目線で読み解いていきましょう。

お問い合わせ・無料体験・個別相談は
そもそも「TOPIX」って何?
TOPIX(トピックス)は、日本の株式市場全体の動きを表す「ものさし」です。ニュースで「日経平均は〇〇円、TOPIXは〇〇ポイント」と一緒に報じられるので、聞いたことがある人もいるかもしれません。
日経平均が225社を選んでいるのに対して、TOPIXはもっと多くの会社を対象にしていて、「日本の株式市場全体」の様子を幅広くつかむのに向いています。
- 日経平均
選ばれた225社の動き - TOPIX
もっと多くの会社を含む、市場全体の動き
ここで大切なのが、TOPIXに連動するように運用されているお金がとても多いということです。ETFや投資信託、年金のお金など、TOPIXに連動する運用資産は、約160兆円(2026年6月末時点)にものぼると言われています。
今回、何が起きたの?
- 10月7日
TOPIXの定期入れ替えの結果が発表される
新規採用:35銘柄
除外候補(移行措置銘柄):683銘柄 - 10月30日
入れ替えが実施される - 2027年10月
除外候補の会社を再チェック - 2028年7月末
移行が完了
一番大きな変化は、選び方のルールが変わったことです。
TOPIXは、おもに「プライム市場」という、東京証券取引所の中心となる市場の会社を中心に作られていました。
東京証券取引所には、「プライム」「スタンダード」「グロース」という3つの市場の区分がありますが、これからは、どの市場にいるかに関係なく、「よく売り買いされているか(流動性)」と「市場に出回っている株の価値がどれくらい大きいか」という基準で選ばれます。
学校にたとえるなら、学年やクラスで選ぶのをやめて、実力や人気で代表メンバーを選び直したようなイメージです。
この結果、TOPIXの構成銘柄は、最終的に約4割減って986銘柄になる見込みです。
新しく採用された35社には、身近な会社がたくさん!
新規に採用された35社の内訳は、スタンダード市場から23社、グロース市場から12社です。その中には、こんな会社が含まれています。
| 会社名 | どんな会社? |
|---|---|
| 日本マクドナルドホールディングス | ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」 |
| セリア | 100円ショップ |
| ワークマン | 作業服が中心。アウトドアやスポーツ用品も人気 |
| ヨネックス | バドミントンやテニスなどのスポーツ用品 |
| 東映アニメーション | アニメの企画・制作 |
| ヱスビー食品 | カレーや香辛料 |
| タイミー | スキマ時間に働けるサービス |
「プライム市場の会社だけがTOPIXに入れる」というこれまでの形から、「スタンダード市場やグロース市場の会社でも、実力があれば採用される」形に変わったことを象徴する結果といえます。
除外候補の683社は、すぐに外されるの?
「除外候補」と聞くと、10月30日にいきなりTOPIXから外されるように感じますが、そうではありません。
683社は「移行措置銘柄」となり、TOPIXの中での割合(ウェイト)が、約2年かけて少しずつ下がっていきます。四半期ごとに8回に分けて下げていくイメージです。
そして2027年10月に、もう一度チェックが行われます。そこで基準を満たした会社は、割合を下げるのが止まります。満たせなかった会社は、2028年7月末にTOPIXから外れます。
一度に変えると株価が大きく動いてしまうので、時間をかけて、ゆっくり入れ替える工夫がされているのです。
なぜこのニュースが投資家に注目されるの?
①「TOPIXと同じ中身」のファンドは、買ったり売ったりする必要がある
TOPIXに連動する投資信託やETFは、TOPIXと同じ会社を同じ割合で持つことで、TOPIXと同じような値動きを目指します。
つまり、新しく採用された会社は買い、割合が下がる会社は売る必要が出てきます。これは「この会社が好き」「この会社は危ない」といった判断ではなく、ルールに従った機械的な売買です。
学校の遠足で「みんなと同じお弁当セットにする」ルールがあるとして、セットのメニューが変わったら、材料を買い足したり減らしたりするイメージです。
②「採用された」=「会社が良くなった」ではない
ここが一番大切なポイントです。
TOPIXに採用されても、その会社の売上や利益が増えるわけではありません。変わるのは「買われやすさ(需給)」と「注目度」です。会社の中身そのものは、昨日までと同じです。
同じように、除外候補になった会社も、業績が悪いから外されるとは限りません。「あまり売り買いされていない」ことが理由になる場合も多いのです。
③「採用が決まったのに、株価が下がった?」出尽くしの仕組み
実は、発表の翌日の10月8日、採用された会社の株価は、総じて軟調でした。
たとえば、マクドナルドは前日比0.91%安、セリアは2.22%安、東映アニメーションは3.22%安となりました(ワークマンは前日と同じ水準)。ニュースでは「新規銘柄に出尽くし売り」と報じられています。
なぜ、うれしいニュースなのに、株価が下がることがあるのでしょうか。
採用が事前に予想されていた
「採用されるだろう」という期待で、先に買う人がいた
正式な発表で、期待が現実になった
「もう材料は出そろった」と、利益を確定する売りが出る
このように、良いニュースが出きったことで株価が下がることを、好材料出尽くし(こうざいりょうでつくし)と呼びます。「うわさで買って、事実で売る」という投資家の行動パターンです。
④ 除外候補の会社は、どう動く?
除外候補になった会社は、これから「売り買いが増えるように」「株主に選ばれるように」、株主への還元や会社の取り組みを見直す動きが出るかもしれません。ニュースでも、除外候補の会社の資本政策(お金の使い方)に関心が集まっていると報じられています。
TOPIXの入れ替えは、会社に「もっと投資家に注目される会社になろう」と促す、きっかけにもなっているのです。
このニュースから学べる投資家的思考まとめ
| 考えるステップ | 今回の例 |
|---|---|
| [STEP 1] ニュースの中身を正確に捉える | TOPIXに35社が新規採用、683社が除外候補に |
| [STEP 2] 何が変わって、何が変わらないかを考える | 変わるのは需給と注目度。会社の業績そのものは変わらない |
| [STEP 3] 「誰が、なぜ買う(売る)のか」を考える | TOPIX連動のファンドが、ルールに従って機械的に売買する |
| [STEP 4] 良いニュースでも株価が下がる理由を知る | 事前の期待が先に株価に織り込まれ、発表後に出尽くし売りが出る |
| [STEP 5] 慌てず、長い目で見る | 除外候補の入れ替えは約2年かけて進む |
今日学んだことを整理しよう
- TOPIXの入れ替え
- 選び方が「市場の区分」から「売り買いのしやすさ・規模」に
- 新規採用:35社 除外候補:683社(2年かけて段階的に)
- TOPIX連動のファンドが機械的に売買
- 採用=業績アップ、ではない。変わるのは需給と注目度
- 事前に期待された採用は、発表後に「出尽くし」で売られることも
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| TOPIX(トピックス) | 日本の株式市場全体の動きを表す指数 |
| インデックスファンド(指数連動ファンド) | TOPIXなどの指数と同じ値動きを目指して運用される投資信託やETF |
| 流動性(りゅうどうせい) | 売りたいときに売れる、買いたいときに買える、売買のしやすさ |
| 移行措置銘柄 | 基準を満たさず、少しずつTOPIXでの割合が下がっていく会社 |
| 好材料出尽くし | 良いニュースが出たあと、期待が現実になったことで、かえって株価が下がること |
| スタンダード市場・グロース市場 | プライム市場とは別の、東京証券取引所の市場区分 |
マクドナルド、セリア、ワークマン。みなさんがふだん利用している会社が、日本の株式市場を代表する「ものさし」に仲間入りしました。
次に株式市場のニュースを見たときは、「この会社の何が変わって、何が変わらないのか」「誰が、なぜ買っているのか」を考えてみてください。ニュースの裏側にある投資家の動きが、少しずつ見えてきますよ。
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
お問い合わせ・体験レッスンのご案内
もし「子ども向けの金融教育を探している」「子どものうちから金融リテラシーを身につけさせたい」「世の中には色んな会社があることを学ばせたい」「投資の仕組みを知ってほしい」という方は、ぜひカブサーの無料体験レッスンをお申し込みください。株の仕組み、会社の仕組みを丁寧にわかりやすく解説します。

お問い合わせ・無料体験・個別相談は









