【投資家目線で読む】自動運転の「ティアフォー」上場3日間で乱高下!赤字なのに評価される会社の秘密

2026年7月22日、東京証券取引所に新しい会社が仲間入りしました。

「ティアフォー」(証券コード:593A)という、自動運転の技術を開発している会社です。

上場からまだ3日間ですが、株価はものすごく激しく動いています。

  • 7月22日(上場初日)
    公開価格1,085円を下回る1,009円でスタート(公募割れ)
  • 7月23日
    1,285円まで急上昇(年初来高値)
  • 7月24日(今日)
    1,102円まで下落(前日比-11.13%)

たった3日間で、こんなに乱高下しました。

しかも、この会社はまだ赤字です。それなのに、なぜこんなに注目され、株価が大きく動くのでしょうか?今日はその「なんで?」を一緒に考えていきましょう!

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ティアフォーってどんな会社?

ティアフォーは2015年に設立された、名古屋大学発の自動運転スタートアップです。

普通、自動運転というと、トヨタやテスラのような大きな自動車メーカーが開発しているイメージがありますよね。ティアフォーは自動車メーカーではないのに、なぜ自動運転の分野で注目されているのでしょうか?

答えは、この会社が「Autoware(オートウェア)」という自動運転用のソフトウェアを作っているからです。

Autowareはオープンソース(誰でも無料で使える、公開されたプログラム)として2015年から公開されています。カメラやセンサーで周りの状況を認識したり、車の進む道を計算したり、アクセルやハンドルを操作したり。自動運転に必要な基本的な機能が、このソフトウェアには詰まっています。

2026年4月時点で、世界500社以上がAutowareを採用しており、社外の人も含めてこのソフトウェアの改良に関わった人は716人にのぼります。

「車を作る」のではなく、「自動運転を動かす頭脳(ソフトウェア)を提供する」

これがティアフォーのビジネスの本質です。

なぜ「車のOS」と呼ばれるの?

みなさんが使っているスマートフォンには「OS(基本ソフト)」というものが入っていますよね。iPhoneならiOS、Androidスマホなら「Android」というOSが、いろんなアプリを動かす土台になっています。

ティアフォーがやろうとしているのは、これと似たことです。自動運転の世界における「OS」を作ろうとしているのです。

いろんな自動車メーカーやバスの会社が、それぞれ一からソフトウェアを作るのは大変です。ティアフォーが「自動運転の共通の土台」を提供することで、業界全体の開発スピードを上げようとしているのです。

無料でソフトウェアを公開する代わりに、実際に車に載せて安全に動かすための「商用化のサポート」や「量産の支援」でお金を稼ぐビジネスモデルになっています。

赤字なのに、なぜ評価されるの?

さて、ここが今日の一番のポイントです。

ティアフォーの直近の決算を見てみましょう。

  • 売上高:64.1億円(前の年より65.6%増)
  • 純損失:約48億円の赤字

売上の7割以上にあたる金額が赤字になっている計算です。普通に考えれば「危ない会社なのでは?」と思うかもしれません。

でも投資家たちは、この会社に約700億円の価値があると評価しました。

「700億円」という数字がどこから来たのか、カブサーのSBG記事で学んだ時価総額(じかそうがく)の計算式を思い出してみましょう。

時価総額 = 株価 × 発行されている株の数

ティアフォーは公開価格1,085円で、発行されている株の数はおよそ6,500万株。これをかけ算すると、だいたい700億円になります。

つまり「この会社を丸ごと買うとしたら約700億円必要」と、投資家たちが値段をつけたということです。

なぜ赤字の会社にそんな評価がつくのでしょうか?

理由は、「今は投資の段階だから」です。

自動運転という新しい技術を開発するには、たくさんの研究費や人件費がかかります。今、ティアフォーは「利益を出すこと」よりも「技術を磨いて、世界中の会社に採用してもらうこと」を優先しています。

投資家は「今は赤字でも、将来Autowareが自動運転の世界標準になれば、そこから大きな収益が生まれるはず」という期待でお金を出しているのです。

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なぜ上場3日間でこんなに乱高下したの?

ここからは、実際の値動きを詳しく見ていきましょう。

【7月22日】期待と不安が入り混じった「公募割れ」スタート

上場前に決められていた公開価格は1,085円でした。ところが、実際に取引が始まった初値は1,009円と、公開価格を約7%下回りました。これを「公募割れ」といいます。

理由として考えられるのは、赤字が続く業績と、大型の資金調達(250億円)という「大きさ」が投資家にとって少し重荷に感じられたことです。「自動運転というテーマは魅力的だけど、赤字だし、規模も大きいし、慎重に見よう」という空気があったのです。

初日はその後、いったん安値896円まで下げたあと、買い戻しで高値1,081円まで戻すという、荒い値動きになりました。

【7月23日】一気に期待が高まり年初来高値

2日目になると、状況が変わります。株価はぐんぐん上昇し、1,285円まで上がりました。

「自動運転」「日本発の技術」「世界500社が採用」

こういったポジティブな材料に、投資家の注目が集まった結果です。上場直後の会社は、値段が定まるまで値動きが大きくなりやすいという特徴もあります。

【7月24日】一転して大きく下落

そして今日、株価は1,102円まで下落しました。前日比でマイナス11.13%という大きな下げです。

これはカブサーで何度も学んできた「好材料出尽くし」の典型的なパターンです。

2日目に「期待」でどんどん買われて高値をつけた反動で、「そろそろ利益を確定しよう」という売りが出やすくなります。SKハイニックス記事でも同じような値動きを学びましたね。上場したばかりの会社の株は、こうした「期待の乱高下」がとても起きやすいのです。

上場前と上場後で評価が下がっていた

もう一つ、注目しておきたい事実があります。

ティアフォーは上場する前、いすゞ自動車・スズキ・JR東海・三菱商事といった大きな会社から、1株2,000円で出資を受けていました。

ところが、今回のIPOでの公開価格は1,085円。上場前の株価と比べて、ほぼ「半値」にまで評価が下がった状態でのスタートだったのです。

「自動運転向けAI開発の競争が激しくなっていて、想定時価総額は700億円と、直近の評価額を下回った」と報じられており、エヌビディアのような巨大企業が自動運転分野にも力を入れ始めていることで、「ティアフォーの立ち位置が埋もれてしまうのでは」という懸念も一部にあったようです。

投資家目線で見る、今後の注目ポイント

ティアフォーのようなスタートアップを見るとき、投資家はこんなポイントに注目します。

①「赤字がいつまで続くか」

ティアフォーは2026年9月期も約67億円の経常損失を見込んでいます。黒字化がいつ実現するかは、まだ未定です。

②「世界中の会社にどれだけ採用が広がるか」

Autowareを使う会社が増えれば増えるほど、将来の収益化のチャンスが広がります。「採用社数」は、この会社の実力を測る一つの指標です。

③政府の目標との関係

日本政府は「2030年度に自動運転サービス車両1万台」という目標を掲げています。この目標にどれだけティアフォーの技術が貢献できるかも、注目されているポイントです。

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
オープンソース誰でも無料で使える、公開されたプログラムやソフトウェア
OS(基本ソフト)いろんな機能を動かすための、土台となるソフトウェア
公募割れ上場したときの初値が、事前に決めた公開価格を下回ること
好材料出尽くし期待で買われ続けた株が、良い材料が出た後にかえって売られる現象

「赤字なのに700億円の価値がある会社」

これは一見矛盾しているようですが、投資家は「今の数字」だけでなく「将来どうなるか」を見ているということです。

上場したばかりの会社の株価は、期待と不安が入り混じって大きく動きやすいもの。ティアフォーがこれから黒字化に向けてどう進んでいくのか、ぜひ引き続き注目してみてください!


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