【業界研究編⑧】不動産業界ってどうなってるの?ビル・マンション・家賃から学ぶ「土地とお金」の仕組み

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みなさんが住んでいる家、通っている学校、よく行くショッピングモール。これらはすべて、土地の上に建てられた建物です。

こうした土地や建物(不動産)をつくったり、貸したり、売り買いを手伝ったりする仕事をしている会社の集まりを、不動産業界(ふどうさんぎょうかい)と呼びます。

「不動産」とは、動かすことができない財産、つまり土地や建物のことです。反対に、お金や車のように動かせるものは「動産(どうさん)」といいます。

今日は【業界研究編】第8回として、不動産業界の全体像を整理していきましょう。

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不動産の仕事は、大きく4つ

不動産業界の仕事は、ざっくり次の4つに分けられます。

  1. 開発・分譲
    土地を買って、ビルやマンションをつくって、売る
  2. 賃貸
    ビルやマンションを、人や会社に貸して、家賃をもらう
  3. 仲介
    家を売りたい人と、買いたい人(借りたい人)をつなぐ
  4. 管理
    建物を、きれいに安全に保つ

① 開発・分譲

空き地や古い建物のある土地を買って、新しいビルやマンション、街をつくる仕事です。できあがったマンションを1戸ずつ売ることを分譲(ぶんじょう)といいます。

② 賃貸

自分でつくった(または買った)ビルやマンション、商業施設などを貸して、家賃(賃料)を毎月もらう仕事です。

③ 仲介

家を借りたいときに、不動産屋さんに行ったことがある人もいるかもしれません。不動産屋さんは、貸したい人と借りたい人の間に入って、契約を手伝います。成立したときに受け取るお金を仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)といいます。

④ 管理

マンションやビルの掃除、修理、警備などを行う仕事です。建物を長く使い続けるためには欠かせません。

日本の主な不動産会社

不動産会社にもいろいろありますが、街づくりのような大きな仕事をするのが、総合不動産会社と呼ばれる大手です。

会社名特徴
三井不動産オフィスビルや商業施設(ららぽーとなど)、マンションなど幅広く展開
三菱地所東京・丸の内のオフィスビル街の開発で知られる
住友不動産オフィスビルの賃貸に加え、マンションの分譲なども展開
東急不動産ホールディングス鉄道会社グループの強みを生かし、街づくりやマンションを展開
野村不動産ホールディングスマンション「プラウド」などの住宅事業で知られる

このほか、住宅を専門とするハウスメーカー(積水ハウス、大和ハウス工業など)も、不動産に関わる大きな会社です。

不動産会社は、どうやって稼ぐの?

不動産会社の稼ぎ方は、大きく2つに分けられます。

  • 売って稼ぐ(フロー型)
    つくったマンションや土地を売って、売却益を得る
    一度に大きなお金が入るが、売れ行きに左右される
  • 貸して稼ぐ(ストック型)
    ビルやマンションを貸して、毎月の家賃を得る
    毎月安定して入ってくる

通信業界の回で出てきたストック型ビジネスと同じように、貸して毎月お金が入る収入は、安定しやすいのが特徴です。一方、マンションなどを売る事業は、景気や価格の影響を受けて、大きく増えたり減ったりします。

大手の不動産会社は、この「売る」と「貸す」の両方を組み合わせて、バランスをとっています。

不動産業界の3つの特徴

特徴① 動くお金が、とても大きい

ビルやマンションをつくるには、土地代、建築費、工事の人件費など、何百億円、何千億円というお金がかかることもあります。

そのため、不動産会社は、銀行からお金を借りて事業を進めることがとても多いです。借りたお金は、家賃収入や売却で、少しずつ返していきます。

特徴②「金利」の影響を受けやすい

借りたお金には、利子(金利)がつきます。金利が上がると、返すお金が増えるので、不動産会社にとっては負担が重くなります。

日本銀行は、2026年9月に政策金利を1.25%に引き上げました。金利のある時代が戻ってくる中で、不動産会社が借りるお金のコストや、マンションを買う人の住宅ローンの金利にも、影響が出ると考えられています。

金利が上がる

会社の借金の利子が増える/住宅ローンの返済額も増える

マンションが売れにくくなったり、事業の利益が減ったりする可能性

特徴③「立地」と「景気」と「人口」で決まる

不動産の価値は、場所(立地)によって大きく変わります。駅に近い、人が集まる街にあるなど、条件のよい場所は、高い家賃でも借り手がつきやすくなります。

また、景気がよくて会社が元気なときはオフィスの需要が増え、人口が増えている地域では住宅の需要が増えます。反対に、人口が減る地域では、空き家が増えるなどの課題も出ています。

今、何が起きているの?最近の動き

マンションの価格が、どんどん上がっている

不動産経済研究所の発表(2026年10月20日)によると、2026年4〜9月に首都圏で発売された新築マンションの平均価格は1億1,494万円で、前年の同じ時期より21.1%上がりました。東京23区だけでみると、平均は1億7,925万円にもなります。

一方で、発売された戸数は8,601戸で、前年の同じ時期より6.0%減っています。価格が上がった理由として、資材の値上がりや人手不足による、建築費の高騰が挙げられています。

オフィスの空室が少ない

東京のオフィスビルは、空室率(空いている部屋の割合)が約2%と、低い水準が続いているとされています。借りたい会社が多く、賃料も上がる傾向にあります。

大手の不動産会社は、こうした背景もあって、業績が好調な会社が多いと報じられています。

投資家が注目する「REIT(リート)」とは?

不動産に投資する方法のひとつに、REIT(リート)があります。日本で上場しているものはJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれます。

たくさんの投資家からお金を集める

そのお金で、ビルやマンション、商業施設などを買う

貸して得た家賃収入などを、投資家に分配する

自分で不動産を買うには何千万円、何億円とかかりますが、REITなら、株と同じように少ない金額から、不動産に投資する形になります。ただし、不動産の価格や金利によって値段が変わるので、元本が保証されているわけではありません。

投資家目線で見ると、どんな意味があるの?

不動産会社の株を見るときは、次のようなポイントが注目されます。

  • 金利の動き
    金利が上がると、借入の負担が増えたり、マンションが売れにくくなったりする
  • 空室率と賃料
    オフィスや商業施設の借り手が多いか、家賃は上がっているか
  • マンションの売れ行き
    価格が上がる中で、契約が順調に進んでいるか
  • 借金(有利子負債)の大きさ
    不動産会社はお金を借りて事業をするので、借金が大きくなりすぎていないか
  • 持っている不動産の価値
    土地や建物の値段が、どう変わっているか

不動産会社は「金利」と「景気」の両方に影響されます。ニュースで金利や物価の話題が出たときは、不動産の会社にどんな影響がありそうか、考えてみると理解が深まります。

今日学んだことを整理しよう

不動産業界は、土地や建物にかかわる仕事

4つの仕事:開発・分譲/賃貸/仲介/管理

稼ぎ方
  • 売って稼ぐ(マンションなどを売る)
  • 貸して稼ぐ(家賃収入。ストック型)
3つの特徴
  1. 動くお金がとても大きい(銀行からの借入も多い)
  2. 金利の影響を受けやすい
  3. 立地・景気・人口で価値が変わる
投資家目線
  • 金利、空室率と賃料、マンションの売れ行き、借金の大きさに注目
  • REIT:不動産に投資して、家賃収入を分けてもらう仕組み

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
不動産(ふどうさん)土地や建物のように、動かすことのできない財産
分譲(ぶんじょう)マンションなどを、1戸ずつ分けて売ること
賃貸(ちんたい)ビルや部屋などを、貸して家賃をもらうこと
仲介手数料売り手と買い手(貸し手と借り手)をつないだときに受け取るお金
金利お金を借りたときにかかる利子の割合
空室率貸し出せる部屋のうち、空いている部屋の割合
REIT(リート)投資家から集めたお金で不動産に投資し、家賃収入などを分配する仕組み

街を歩くと、背の高いビル、新しいマンション、大きなショッピングモールが目に入ります。その一つひとつに、土地を選び、お金を借り、人を集めようと考えた会社があります。

通学路の近くにある建物は、どこの会社が持っているのか、何に使われているのか、調べてみてください。街が、少し違って見えてきますよ。

【業界研究編】シリーズ、次回もお楽しみに!


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