【投資家目線で読む】プリンが買えなくなる!?中東の戦争がスーパーの棚を直撃するまでの「連鎖」を読み解こう

今日(2026年4月27日)、Xでこんなワードがトレンド入りしました。

「#プリン販売休止」

「え、プリンが買えなくなるの?」と驚いた人も多いはずです。

実はこれ、遠い中東の戦争と、あなたの家の冷蔵庫に入っているプリンが、意外なルートでつながっているというニュースなんです。

今日発表された緊急調査では、食品企業の約4割がすでに打撃を受けており、5月上旬から全国でプリンの販売休止を検討している企業が出てきたというのです。

「中東の戦争と、プリン?全然関係なくない?」

そう思った人こそ、今日の記事を最後まで読んでみてください。この「つながり」を理解できたとき、世界の経済の見え方が根本から変わります。そして、これこそが投資家の目線で世界を読む力です!

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まず整理!「ナフサ」って何?

今日のキーワードは「ナフサ(粗製ガソリン)」です。

ナフサとは、石油を精製する過程で生まれる原料のことです。ガソリンの仲間ですが、車の燃料として使うのではなく、プラスチックや化学繊維など、あらゆる工業製品の原料として使われます。

「石油化学のコメ」とも呼ばれるほど、現代の製造業にとって欠かせない存在です。

みなさんの身の回りにあるものを見渡してみてください。

  • 食品の容器・パック(プリンのカップ、卵のパック)
  • ペットボトル・ビニール袋
  • 洗剤・シャンプーのボトル
  • 服(化学繊維)
  • 医療用注射器・点滴バッグ

これらのほとんどが、ナフサを原料として作られています。

ホルムズ海峡が封鎖されると、なぜプリンが消えるのか

ここが今日の核心です。順番に追っていきましょう。

ステップ① ホルムズ海峡が封鎖された

カブサーでも以前学びましたね。2026年2〜3月、中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡が事実上封鎖されました。日本が輸入する原油の90%以上はここを通ります。

ステップ② ナフサが日本に入ってこなくなった

原油が入ってこないということは、そこから作られるナフサも当然入ってこなくなります。しかも深刻なのが、ナフサには国家備蓄の制度がないということです。原油は国が230日分を備蓄していますが、ナフサの国内在庫は約20日分しかないのです。これが一気に底をついていきます。

ステップ③ プラスチックが作れなくなった

ナフサが不足すると、そこから作られるエチレンやプロピレンという化学品も足りなくなります。国内の石油化学プラントの半数以上がすでに減産に追い込まれています。プラスチック製品の原料がなくなるということです。

ステップ④ 食品の容器が作れなくなった

プラスチックが足りなければ、プリンのカップも、卵のパックも、お弁当のトレーも作れません。「中身の食品はあっても、入れる容器がない」という事態が起きているのです。

ステップ⑤ プリンが売れなくなる

容器がなければ商品を出荷できません。これが「プリン販売休止」の本当の理由です。

わかりやすくまとめると…

中東の戦争 ホルムズ海峡が封鎖 原油・ナフサが入ってこない プラスチックが作れない 食品容器が足りない プリンが店頭から消える

地球の反対側の戦争が、あなたの家の冷蔵庫まで届く。これが「サプライチェーン(供給網)」という概念の、これ以上ないくらい身近な例です。

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プリンだけじゃない!影響はもっと広い

「プリンだけの話でしょ?」と思ったら大間違いです。ナフサ不足の影響は、驚くほど広い範囲に広がっています。

分野具体的な影響
食品プリン・卵パック・お弁当容器・食品ラップの不足・値上げ
日用品ゴミ袋・洗剤ボトル・シャンプーボトルが30%以上値上がり見込み
医療注射器・点滴バッグ・医療用包装の供給ひっ迫
建設断熱材が40%値上げ・水道管(塩ビ管)が30円/kg以上値上げ
物流プラスチックパレット不足で荷物の運搬が停滞

帝国データバンクの試算では、製造業4万6000社以上がこのナフサ不足の影響を受けると見られています。

投資家目線で考えよう!誰が得をして、誰が困るの?

こういう大きな変化が起きるとき、投資家は「誰が得をして、誰が困るか」を考えます。

厳しい立場になりやすい会社

食品メーカー・飲料メーカー
容器が調達できず、売りたくても売れない状態。コストが上がっても値上げしにくければ利益が圧迫されます。

プラスチック加工メーカー(中小企業中心)
原材料が高騰し、川下(消費者に近い側)にいるほど価格転嫁が難しく、苦しい状況になりやすいです。

逆に注目される会社

バイオプラスチック・代替素材の開発会社
石油に頼らないプラスチックの開発が急務になります。まだ量産技術は未熟ですが、長期的な成長テーマとして投資家の注目が集まりやすい分野です。

廃プラスチックリサイクル企業
新しい原料が入ってこないなら、使い終わった廃プラスチックを再利用するリサイクルの価値が急騰します。日本でも関連企業への注目が高まっています。

国内に生産拠点を持つメーカー
中東依存度が低い原材料を使っていたり、国内生産比率が高い会社は相対的にダメージが少なくなります。こういう「地政学リスクに強い会社」を選ぶ目が、今の投資家に求められています。

「ナフサに備蓄がない」という日本の盲点

今回の危機で明らかになった最大の問題点がここです。

日本は原油については法律で230日分の国家備蓄が義務付けられています。でも、同じ中東依存なのに、そこから作られるナフサには備蓄制度がありません。

「原油は守られているのに、ナフサは無防備」
まさに縦割り行政の盲点です。

投資家として大切な視点は、「この問題が解決に向かうとしたら、どの会社・どの政策が動くか」を考えることです。

今後、政府がナフサの備蓄制度を整備したり、石油化学メーカーが中東以外の調達先を開拓したりする動きが出てくれば、それ自体が新しい投資テーマになります。危機の中にこそ、次の成長のタネが埋まっているのです。

投資家が注目しているナフサ関連の会社を見てみよう

「どんな会社が影響を受けるの?」という人のために、タイプ別に紹介します。

タイプ① 厳しい状況になりやすい会社(ナフサをたくさん使う会社)

三菱ケミカルグループ(4188)

日本最大手の化学メーカーで、プラスチックや化学品を幅広く生産しています。ナフサを大量に使う「川上」に位置するため、今回の不足の影響をもろに受けています。茨城県の工場でいち早く減産に踏み切りました。

旭化成(3407)

「サランラップ」でおなじみの化学メーカー。食品包装フィルムや合成繊維など、ナフサ依存度の高い製品を多数手がけており、減産や値上げ対応を迫られています。石油化学工業協会のトップも務めています。

三井化学(4183)

自動車部品や食品包装材向けのプラスチック原料を製造しています。千葉・大阪の工場で減産を実施しており、業績への影響が懸念されています。

タイプ② 逆に「強い」と注目される会社(ナフサに頼らない会社)

信越化学工業(4063)

日本の化学メーカーの中で「ナフサ危機の勝ち組」として最も注目されている会社です。なぜかというと、稼ぎの中心がアメリカにあるからです。米国子会社が「シェールガス由来のエタン」という、中東のナフサとは全く別の原料を使ってプラスチックの原料を製造しています。世界中の競合メーカーがナフサ不足とコスト増に苦しむ中、信越化学だけが安定して低コストで作れるため、圧倒的な強さを持っています。

タイプ③ 「代替素材・リサイクル」で恩恵を受けそうな会社

カネカ(4118)

石油由来でないバイオプラスチック「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の開発・量産を進めているメーカー。ナフサ不足が深刻化するほど「石油を使わないプラスチック」への注目が高まり、この分野の先駆者であるカネカへの期待が高まっています。

5社をひとことで整理すると

会社名ナフサ危機との関係
三菱ケミカルグループ(4188)ナフサ大量使用・減産中。業績への影響大
旭化成(3407)食品ラップ・フィルム製造。コスト増が直撃
三井化学(4183)自動車・食品向け樹脂。減産・値上げ対応中
信越化学工業(4063)米国シェールガス原料で「ナフサ不要」の強さ
カネカ(4118)バイオプラスチック先駆者。代替素材として注目

まとめ:「プリンが消える」から世界が見える

今日学んだことを整理しましょう。

キーワード意味
ナフサ石油化学のコメ。プラスチック全般の原料
サプライチェーン原料から製品が届くまでの供給の連鎖
備蓄の盲点原油は230日分、ナフサは約20日分しかない
川上・川下原料に近いほど川上、消費者に近いほど川下
地政学リスク特定の国・地域に依存することで生まれるビジネスリスク

「プリンが買えなくなる」というニュースを「へえ、大変だね」で終わらせるのか、「なぜ?誰が困る?誰が得をする?次はどうなる?」と考えるのか。
この違いが、ただのニュース消費者と投資家の目線の差です。

スーパーの棚に並ぶ商品を見るとき、「これはどこから来た原料で作られているんだろう?」と考える習慣が、世界を読む最強のトレーニングになります!


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