【ホンダが衝撃の赤字転落?】投資家なら知っておきたい「業績予想」の裏側と、ピンチをチャンスに変える視点

誰もが知る「ホンダ」に何が起きたのか?

日本を代表する自動車メーカーの一つである「ホンダ(7267)」が、今、大きな岐路に立たされています。普段、街中で当たり前のように見かけるホンダの車ですが、その舞台裏では創業以来の危機とも言える、ショッキングなニュースが飛び込んできました。

ビジネスの世界、特に投資の世界では、「計画通りに進まないこと」が時として莫大な損失を生みます。今回ホンダが発表した内容は、まさにその「計画変更」の難しさと恐ろしさを物語っています。投資家として、あるいはこれから経済を学びたいと考える方にとって、このニュースは「数字の裏にある企業の決断」を読み解く絶好の教科書となります。

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3000億円の黒字予想が「最大6900億円の赤字」へ

ホンダが発表した業績予想は、多くの投資家に驚きを与えました。なぜなら、わずか数ヶ月前まで「儲かる」と言っていた計画が、一転して「大きな損が出る」という内容に変わったからです。

投資の世界では、利益にもいくつかの種類があります。まずは今回発表された数字を整理してみましょう。

  • 営業利益(えいぎょうりえき)
    本業の「車を売る仕事」で稼いだ利益のこと。
    • 当初予想:5,500億円の黒字 → 修正後:2,700億〜5,700億円の赤字
  • 最終利益(さいしゅうりえき)
    税金や特別な損(今回のような大失敗の片付け費用)をすべて差し引いた、会社に残る本当の利益のこと。
    • 当初予想:3,000億円の黒字 → 修正後:4,200億〜6,900億円の赤字

このように、予定していた目標を大幅に下げることを投資の世界では「下方修正(かほうしゅうせい)」と呼びます。学生の皆さんに例えるなら、「期末テストで全教科90点以上取ると宣言していたのに、テスト直前になって『実は平均点すら届かないかもしれない』と発表する」ようなものです。

実は、投資家は「悪いニュース」そのものよりも、こうした「急な予定変更(サプライズ)」を嫌います。信頼が揺らぐからです。ホンダの三部敏宏社長はこの発表に際し、次のような言葉を残しています。

「このまま生産、販売に移行すると更なる損失拡大を招く。断腸の思いで(戦略見直しを)決断した」

経営陣はこの責任を取り、三部社長と貝原副社長は、月額報酬の30%を3か月分返上することを決めました。上場(株式を自由に売り買いできるようにすること)以来、初めての赤字転落は、それほどまでに重い決断だったのです。

なぜそんなに大きな損が出るの?キーワードは「減損損失」

なぜ、まだ車を売ってもいない段階でこれほど大きな赤字が出るのでしょうか。その理由は、アメリカ向けに開発していた「電気自動車(EV)」3車種の開発を中止したことにあります。

ここで重要になる言葉が「減損損失(げんそんそんしつ)」です。

これは簡単に言うと、「これまで一生懸命お金をかけて準備してきたものが、急に使い道がなくなって、使ったお金が無駄になってしまった状態」を指します。

例えば、あなたが野球部に入るために、10万円もする最高級のグローブやバット、ユニフォームを揃えたとします。ところが、練習が始まる直前に「やっぱりこの部活はやめる」と決めたらどうでしょう?その道具に使った10万円は、もう目的のために使われることはなく、「無駄なお金」になってしまいますよね。

ホンダは今回、EVを作るために準備していた工場や開発費などのうち、最大で約1兆3000億円が「無駄になってしまった」と認めました。さらに恐ろしいことに、部品メーカーへの補償などで、来期もさらに1兆2000億円の損が出る可能性があるのです。

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投資家はここを見る!「ホンダの苦境」が「他社の追い風」になる不思議

投資の面白いところは、「ある会社のピンチが、別の会社のチャンスに見える」ことがある点です。ホンダがEV路線から戦略変更を発表したことで、以下の企業に注目が集まっています。

  • トヨタ自動車(7203)
    世界が「これからはEV一択だ!」と急ぐ中、トヨタはあえて「ハイブリッドもガソリン車も大事」という慎重な姿勢を貫き、一部からは「遅れている」と批判されていました。しかし、ライバルのホンダが巨額の赤字を出してまで戦略を修正したことで、「トヨタの忍耐強い作戦が正しかった」と改めて評価され、投資家からの信頼が高まる可能性があります。
  • エクセディ(7278)、ユタカ技研(7229)、武蔵精密工業(7220)などの部品メーカー
    これらの会社は、エンジンの力を伝える部品やマフラーなど、「エンジン車」に欠かせない部品を作っています。EV(エンジンがない車)が普及すると仕事がなくなると心配されていましたが、ホンダが「これからもエンジンを使う車を作り続ける」と決めた場合、投資家は「当面は仕事がなくならない」と安心し、株価のプラス材料として見るかもしれません。
  • プレス工業(7246)
    タイヤ周りの部品を作っている会社です。車がEVだろうとハイブリッドだろうと必ず必要な部品なので、ホンダがどのような形であれ車作りを続ける限り、注文が安定して入ることが期待されています。

【重要】「業績予想」はあくまで「予想」にすぎない

投資初心者が特に気をつけたいのは、「会社が黒字だと言っているから安心だ」と思い込んでしまうことです。今回のホンダの例が示す通り、会社の業績は世界情勢や市場の流行(EVの需要減少など)によって、いつでもガラリと変わる可能性があります。

下方修正というリスクに備えるために、投資家として持つべきマインドセットは以下の通りです。

  • 「損切り」の勇気を知る
    ホンダが1.3兆円もの損を認めたのは、これ以上進むともっと大きな損(サンクコスト:取り戻せない費用)になるからです。「これまでに使ったお金がもったいない」と無理を続けるより、早めに失敗を認める方が、実は会社を救うことになります。
  • ニュースの裏を「連想」する
    「ホンダが赤字」という表面的な情報だけで終わらず、「じゃあ、エンジン部品を作っている会社は安心するかな?」「ライバルのトヨタはどうかな?」と、連想ゲームのように考える癖をつけましょう。
  • 分散して考える
    どんな大企業でも、今回のような想定外の事態は起こり得ます。一つの技術や一つの会社に全財産を賭けるのではなく、常にリスクを考えておくことが大切です。

未来をどう読み解くか?

今回のニュースは、一見すると「ホンダの失敗」に見えるかもしれません。しかし、別の角度から見れば「変化の激しい時代に生き残るために、莫大な損失を覚悟してでも、間違った道を引き返す勇気ある決断をした」とも受け取れます。

投資の世界で大切なのは、起きてしまったことを嘆くことではなく、その変化の裏側に隠れた新しいチャンスを見つける目を持つことです。

もしあなたがホンダの社長だったら、この合計2.5兆円(今期と来期)にも及ぶ膨大な「勉強代」を、次のどのような未来への投資に変えていきますか?
そんな風に企業のリーダーになりきってニュースを眺めてみると、投資や経済がもっと身近で、ドラマチックなものに見えてくるはずです。


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