【投資家目線で読む】なぜスタバは値上げしても行列が絶えないの?「プレミアムブランド」の強さと投資家の見方

みなさんはスターバックスに行ったことはありますか?

ドリップコーヒー1杯が500円以上、フラペチーノなら700〜800円。コンビニのコーヒーが100〜200円であることを考えると、かなり高い値段ですよね。

しかも、スターバックスは何度も値上げを繰り返しています。それなのに、なぜいつも行列が絶えないのでしょうか?

2026年5月29日、日本経済新聞がこんな特集を組みました。

「スターバックスが日本上陸30年で2000店を超えた」

1996年に銀座に1号店を出してから30年。今や全国2000店以上を展開し、日本のカフェ最大手になったスターバックス。このニュースには、投資家として絶対に知っておきたい「強いブランドの秘密」が詰まっています。

今回は「プライシングパワー(価格決定力)」を、スタバという最も身近な例でさらに深く学んでいきましょう!

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まず「スタバ」ってどんな会社?

スターバックスコーヒージャパン(スタバ日本) は、アメリカのスターバックスコーポレーション(SBUX)の完全子会社として日本で事業を展開しています。

2015年に完全子会社化されて日本の株式市場からは上場廃止になったため、日本では直接株を買うことはできませんが、アメリカのナスダック市場でスターバックスコーポレーション(ティッカー:SBUX)の株を買うことで間接的に投資することができます。

日本の店舗数は2000店超で業界トップ。年間来客数は数億人規模というお化けブランドです。

「プレミアムブランド」とは何か?

スタバが高いのに売れ続ける理由を理解するために、まず「プレミアムブランド」という概念を覚えておきましょう。

プレミアムブランドとは、同じ種類の商品の中で「特別に高い価値がある」と消費者に認識されているブランドのことです。

コーヒーで例えるとこうなります。

お店価格帯ポジション
コンビニコーヒー100〜200円手軽・安い
ドトール・マック200〜400円普段使い
スターバックス500〜800円プレミアム
高級ホテルのカフェ1000円〜ラグジュアリー

スタバはこの「ちょっと贅沢な日常」というポジションを30年かけて日本で確立してきました。

なぜ値上げしても売れるの?「プライシングパワー」の正体

「値上げしても顧客が離れない力」

これがプライシングパワーです。

スタバがこの力を持っている理由は大きく3つあります。

理由① スタバで飲むこと自体に価値がある

スタバのコーヒーは「カフェインを補給するための飲み物」ではなく、「スタバで過ごす時間・体験」に価値があります。

おしゃれな空間・季節限定メニュー・カスタマイズの楽しさ・持ち歩けるカップのブランド感…これらが合わさって「500円払う価値がある体験」になっています。

コーヒーを飲むだけなら100円のコンビニで済みます。でもスタバに来る人は「コーヒー」を買っているのではなく「スタバという体験」を買っているのです。

理由② スイッチングコストが高い

スイッチングコストとは「別のものに乗り換えるときにかかるコスト(手間・損失感)」のことです。

スタバには「スターバックスリワード」という独自のポイントプログラムがあります。コーヒーを買うたびにスターが貯まり、特典ドリンクと交換できます。

「乗り換えたらスターが全部無駄になる」「せっかく貯めたのにもったいない」

このような心理が、ちょっと値上げしても「やっぱりスタバでいいか」という判断につながります。

理由③ 代わりのものがない

スタバには「スタバにしかない価値」があります。季節限定ドリンク・地域限定メニュー・スタバでしか買えないグッズ…これらは他のどのカフェでも手に入りません。

「どこでもいい」ではなく「スタバがいい」という顧客を持っていること。

これが最強のプライシングパワーの源泉です。

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投資家がプレミアムブランドに注目する理由

さて、ここからが投資家目線の話です。

なぜ投資家はプライシングパワーが強い会社を高く評価するのでしょうか?理由は3つあります。

理由①「復活する力(回復力)」が強いから

実はスタバのような「ちょっと贅沢な日常」は、リーマンショックのような歴史的な大不況のときには「毎日のラテ代を節約しよう」とダメージを受けることもあります。

しかし、普通のカフェと違うのはここからです。

景気が少し良くなると、顧客は「やっぱりあのスタバの空間に行きたい!」と真っ先に戻ってきてくれます。熱狂的なファンがいるプレミアムブランドは、ピンチに陥っても「業績が復活(V字回復)するスピード」が圧倒的に早いのです。

投資家はこの「底力の強さ」を高く評価しています。

理由②「利益率が高い」から

同じ飲食業でも、プレミアムブランドは利益率が高くなりやすいです。

コンビニコーヒーは100円で売るために徹底的にコストを削らなければなりません。でもスタバは500円で売れるため、良い豆・おしゃれな空間・手厚いサービスにお金をかけても利益が残ります。

「値段を高く設定できる → 原価率を高くできる → 品質を上げられる → さらに高く売れる」という好循環が生まれやすいのです。

理由③「価格転嫁ができる」から

コーヒー豆や牛乳の仕入れコストが上がったとき、プレミアムブランドは値上げによってそのコストを消費者に転嫁しやすいです。

スタバはこれまで何度も値上げをしてきましたが、そのたびに客足が戻ってきています。一方、コンビニコーヒーはコストが上がっても簡単に値上げできません(100円のイメージが強すぎるため)。

「値上げできる会社」は投資家にとって「コスト増に強い会社」でもあります。

スタバが30年で成功した理由を投資家目線で整理すると

成功の要因投資家目線での意味
「体験」を売る空間づくり差別化 → 競合が真似しにくい → 参入障壁
季節限定・カスタマイズ戦略飽きさせない → リピート率が高い → 売上安定
リワードプログラムスイッチングコスト → 顧客が離れにくい
値上げしても客足が戻る実績プライシングパワーの証明
不況でも一定の需要があるディフェンシブ性(守りの強さ)

「プレミアムブランド」と「普通の会社」の違いを身近な例で比べてみよう

スタバで学んだプレミアムブランドの視点で、身近な会社を比較してみましょう。

プライシングパワーが強い会社の例

  • スターバックス → 「スタバじゃなきゃダメ」という顧客がいる
  • アップル → iPhoneは高いのに毎年行列ができる
  • 任天堂 → ポケモン・マリオは他では手に入らない

プライシングパワーが弱い会社の例

  • コモディティ商品(鉄・石油・小麦など)→ 世界中どこでも同じ品質のため、安い方が勝つ
  • 激安チェーン店 →「安さ」が売りなので、値上げすると顧客が離れる

投資家は「この会社はプライシングパワーがあるか?」を考えることで、値上げ局面・コスト増局面でも強い会社を選べるようになります。

まとめ:高くても売れる会社の秘密

キーワード意味
プレミアムブランド「特別な価値がある」と認識されているブランド
プライシングパワー値上げしても顧客が離れない力。強いブランドの証拠
スイッチングコスト別のものに乗り換えるときにかかる手間・損失感
ディフェンシブ性不況でも需要が落ちにくい性質
参入障壁競合他社が真似しにくい仕組みや強み

「なぜスタバは値上げしても行列が絶えないのか?」

この問いへの答えが、投資家として会社を選ぶ際の最も重要な視点の一つです。

次にスタバに行ったとき、「この500円は何に対して払っているんだろう?」と考えてみてください。その答えを見つけられたとき、あなたはもう投資家の目線を持っています!


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