【業界研究編⑤】通信業界ってどうなってるの?スマホがつながる裏側と「ドコモ・au・ソフトバンク・楽天」の仕組み

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みなさんは、スマホで動画を見たり、友だちとメッセージをやりとりしたり、ゲームで遊んだりしていますよね。

そのとき、画面の向こうでは、電波やケーブルを通じて、ものすごい量のデータが一瞬で行き来しています。この「つながる仕組み」を支えているのが、通信業界(つうしんぎょうかい)です。

今日は【業界研究編】第5回として、通信業界の全体像を整理していきましょう。

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通信会社の仕事は「情報の道路」をつくること

通信会社の仕事を、ひとことで言うと「情報が走る道路を作って、貸すこと」です。

道路を作る会社が、道路を使う車(私たち)から通行料を受け取るように、通信会社は、データが通る道(回線)を用意して、毎月の利用料金を受け取っています。

スマホ ⇔ 近くの基地局 ⇔ 通信会社のネットワーク ⇔ インターネット

基地局(きちきょく)とは、スマホとの間で電波をやりとりするための設備です。街のビルの上や鉄塔などで見かけたことがあるかもしれません。この基地局が全国にたくさんあるから、どこにいてもスマホがつながるのです。

日本の主な通信会社は4社

自前の回線を持って、携帯電話サービスを提供している大手は、次の4つのグループです。

ブランド運営している会社特徴
ドコモNTT契約数が最も多い。固定電話や光回線、データセンターなども手がける
auKDDI通信に加えて、金融やコンビニ(ローソン)など生活サービスにも展開
ソフトバンクソフトバンク通信に加えて、AIやデータセンターなどにも力を入れる
楽天モバイル楽天グループ後から参入した新顔。ネット通販などのサービスとセットで展開

2026年3月末時点の契約数は、ドコモが約9,300万、auが約7,300万、ソフトバンクが約5,700万、楽天モバイルが約1,000万となっています。日本の人口より多いのは、スマホ以外の通信機器なども含めた「契約」の数だからです。

ここで一つ、まちがえやすいポイントがあります。「ソフトバンク」と「ソフトバンクグループ」は別の会社です。通信サービスを運営しているのはソフトバンク、世界中のIT企業に投資をしているのはソフトバンクグループです。株式市場でも、別々の会社として上場しています。

通信業界の3つの特徴

特徴① 毎月、決まった料金が入ってくる

スマホの料金は、使っている間は毎月支払いが続きます。このように、お客さんが使い続ける限り、毎月お金が入ってくるタイプの商売をストック型ビジネスと呼びます。

たとえるなら、スイカを一度売って終わりの八百屋さんではなく、毎月の会費をもらうスポーツクラブのようなイメージです。売上の見通しが立てやすく、景気が悪くなっても急に減りにくいのが強みです。

特徴② 基地局など、設備にとんでもないお金がかかる

全国どこでもつながるようにするには、基地局やケーブルなどの設備を、日本中に作り続けなければなりません。こうした設備にかけるお金を設備投資(せつびとうし)といいます。

携帯キャリア各社の設備投資の合計は、2021年度・2022年度ともに、年間でおよそ1.8兆円にのぼったという調査があります。通信会社は「儲かるけれど、お金もたくさん使う」業界なのです。

特徴③ 電波は国が管理する「限りある資源」

スマホが使う電波は、実はどの会社も自由に使えるわけではありません。電波の周波数は、国(総務省)が、会社ごとに割り当てるルールになっています。

そのため、新しい会社が簡単に参入することは難しく、競争相手が限られるのが、この業界の特徴です。また、通信は暮らしに欠かせないインフラなので、国が料金の引き下げを求めることもあり、各社は割安なプランを出して対応してきました。

大手の回線を借りる「格安SIM」とは?

ドコモやauなどの大手ではなく、「格安SIM」という名前のサービスを使っている家庭もあるかもしれません。

こうしたサービスを提供する会社は、MVNO(エムブイエヌオー)と呼ばれます。自分で基地局を持たず、大手の回線を借りて、安く提供する仕組みです。

大手キャリア(回線を持っている)
回線を貸す
MVNO(格安SIMの会社)
安い料金で提供
私たち

基地局を作る費用がかからない分、安い料金で提供できます。ただし、大手の回線を借りているので、混雑する時間帯に通信が遅くなりやすいなど、違いが出ることもあります。

通信会社は、通信だけじゃない

最近の通信会社は、「つなぐ」だけで終わらず、いろいろな事業に広げています。

  • NTT
    データセンター(データを預かる巨大な施設)や、システム開発などのIT事業
  • KDDI
    金融サービス、ポイントサービス「Ponta」、コンビニの「ローソン」など
  • ソフトバンク
    AI向けのデータセンターなど
  • 楽天グループ
    ネット通販、金融、携帯電話をセットで展開

これは、スマホの契約者数がすでに多く、新しいお客さんを増やすのが難しくなっているからです。持っているお客さんに、通信以外のサービスも使ってもらうことで、新しい収入の柱を作ろうとしているのです。

投資家目線で見ると、どんな意味があるの?

通信会社の株は、一般的にディフェンシブ株と呼ばれることが多いです。

ディフェンシブ(defensive)は「守りの」という意味です。景気が悪くなっても、スマホを使うのをやめる人は少ないので、売上や利益が急に減りにくく、株価も比較的安定しやすいと考えられています。また、毎月安定してお金が入るため、配当(はいとう)(会社が株主に利益の一部を分けるお金)を出し続けている会社が多いのも特徴です。

ただし、通信業界ならではの注意点もあります。

  • 価格競争や料金の引き下げ
    国からの要請や競争で、料金が下がると利益に影響する
  • 設備投資の負担
    新しい通信規格に対応するたびに、大きなお金が必要になる
  • 成長の限界
    契約数がすでに多く、通信だけでは大きく伸びにくい

そのため、通信会社を見るときは、「通信事業の安定感」に加えて、「通信以外の事業をどれだけ育てられているか」がポイントになります。

今日学んだことを整理しよう

通信業界は「情報の道路」をつくって貸す仕事

主な会社
NTT(ドコモ)/KDDI(au)/ソフトバンク/楽天グループ

3つの特徴
  1. 毎月お金が入る(ストック型ビジネス)
  2. 設備投資に巨額のお金がかかる
  3. 電波は国が管理するので、参入しにくい
投資家目線
  • 景気に左右されにくい「ディフェンシブ株」と言われやすい
  • 料金競争と設備投資の負担に注意
  • 通信以外の事業をどう育てているかがカギ

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
基地局スマホとの間で電波をやりとりする設備
ストック型ビジネスお客さんが使い続ける限り、毎月お金が入り続ける商売
設備投資工場や基地局など、事業に必要な設備にかけるお金
MVNO(格安SIM)大手の回線を借りて、安い料金でサービスを提供する会社
ディフェンシブ株景気が悪くなっても業績が崩れにくいと考えられている会社の株
配当会社が株主に、利益の一部を分けるお金

毎日使っているスマホの裏側には、基地局を整備し続け、国のルールに沿って電波を使い、価格競争にも向き合っている会社たちがいます。

自分のスマホがどこの会社の回線なのか、親せきや友だちはどうなのか、ちょっと調べてみてください。身近な「つながる仕組み」が、会社や株式市場とつながって見えてきますよ。

【業界研究編】シリーズ、次回もお楽しみに!


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