【投資家目線で読む】お菓子や日用品より処方箋の薬!?スギ薬局の意外な内訳から学ぶ、事業セグメントの見方

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みなさんは「スギ薬局」に行ったことはありますか?

お菓子・日用品・化粧品などが並ぶ、身近なドラッグストアですよね。

2026年9月15日、この「スギ薬局」を展開するスギホールディングス(証券コード:7649)が、2026年8月の月次速報(毎月の売上の速報)を発表しました。

全体の既存店売上高(もともとあるお店だけで比べた売上)は、前年比4.3%増。好調な数字です。

でも、この中身をよく見てみると、面白いことが分かります。

  • 物販(お菓子・日用品など)の既存店売上高
    → 前年比2.3%増
  • 調剤(処方箋の薬)の既存店売上高
    前年比9.7%増

しかも、物販の客数はむしろ0.9%減っているのです。

「え、お菓子や日用品より、薬の方が儲かってるの?」

今日はこの「なんで?」を一緒に考えながら、1つの会社の中にある「事業セグメント」という考え方を学んでいきましょう!

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そもそも「調剤」ってどんな事業?

調剤(ちょうざい)とは、病院でもらった処方箋にもとづいて、薬剤師が薬を用意して渡す仕組みのことです。

最近のドラッグストアには、レジの近くに「調剤薬局」のカウンターが併設されているお店が増えていますよね。これを「調剤併設型ドラッグストア」と呼びます。

  • 物販
    お菓子・日用品・化粧品などを、自分で選んで買う商品
  • 調剤
    病院の処方箋にもとづいて、薬剤師から薬を受け取るサービス

同じお店の中に、この2つの、性質が全く違う事業が同居しているのです。

なぜ「調剤」だけが、こんなに伸びているのか

理由は、日本社会が抱える大きな変化である少子高齢化にあります。

高齢の方が増えると、病院にかかる機会や、継続的に薬を必要とする人が増えていきます。ドラッグストアの調剤カウンターは、こうした需要の受け皿になっているのです。

スギホールディングスの経営陣も、「日本社会が抱える少子高齢化への対応」を、会社の重要な戦略の柱として位置づけていると説明しています。地域の「ヘルスケア拠点」として、単なる買い物の場所ではなく、健康や医療を支える存在を目指しているのです。

一方、物販(お菓子・日用品)の客数が減っている背景には、他のコンビニやスーパー、ネット通販など、さまざまな選択肢との競争が激しくなっていることも関係していると考えられます。

「事業セグメント」という考え方

ここで、投資家として大切な視点を紹介します。

多くの会社は、1つの事業だけでなく、複数の事業を組み合わせて経営しています。この、会社の中の「事業の区分け」のことを「事業セグメント」と呼びます。

スギホールディングスの場合、大きく分けると「物販」と「調剤」という2つのセグメントがあり、それぞれの成績を分けて確認することができます。

会社全体の数字(今回なら4.3%増)だけを見ていると、「まずまず好調そうだ」という印象で終わってしまいます。でも、セグメントごとに分けて見ることで、「実は物販は苦戦していて、調剤がその分をしっかりカバーしていた」という、より詳しい実態が見えてくるのです。

客単価にも、面白い違いがあった

もう一つ、細かいデータを見てみましょう。

  • 物販の客単価(1人あたりの購入金額)
    → 前年比3.3%増
  • 物販の客数
    → 前年比0.9%減

つまり物販は、「来るお客さんの数は減っているけど、1人あたりが使う金額は増えている」という状態です。

これはカブサーの値上げラッシュ記事とも関係する話かもしれません。物価が上がっている中で、同じ商品を買っても支払う金額が増える、という状況が、客単価の上昇に表れている可能性があります。

「客数は減っているのに、売上は増えている」

一見良さそうに見える数字も、その中身を確認すると、必ずしも手放しで喜べる状況ではないことが分かります。

「調剤が伸びている」は、業界全体にとって良いことばかりではない

ここで、投資家として知っておきたい、少し複雑な事情も紹介します。

調剤の需要は、高齢化とともに伸びていく一方で、国は医療費全体をおさえるための政策(ジェネリック医薬品の推進や、薬の価格の見直しなど)も進めています。

つまり「患者さんの数は増えても、1件あたりの利益は必ずしも増えるとは限らない」という、業界特有の難しさもあります。

「調剤が伸びている=この業界は将来も安泰だ」と単純に考えるのではなく、制度の変化にも影響を受けやすい事業だ、ということも、あわせて理解しておくことが大切です。

投資家として、今日から学べること

① 会社全体の数字だけでなく、事業セグメントごとの中身を確認する

「4.3%増」という全体の数字だけでは、会社の本当の姿は見えてきません。どの事業が伸びていて、どの事業が苦戦しているのかを確認することで、より深い理解につながります。

②「客数」と「客単価」を分けて見る

売上が伸びていても、それが「お客さんが増えたから」なのか、「1人あたりの購入額が増えたから」なのかによって、会社の状況の見え方が変わってきます。

③ 社会の変化(少子高齢化など)と、会社の戦略のつながりを考える

日本社会全体の大きな変化が、身近な会社のビジネスにどう影響しているかを考える視点は、投資家にとって大切な習慣です。

今日学んだ言葉のまとめ

言葉意味
既存店売上高もともとあるお店だけで比べた売上の伸び率
調剤処方箋にもとづいて、薬剤師が薬を用意して渡す仕組み
事業セグメント会社の中にある、事業ごとの区分け
客単価お客さん1人あたりが購入する平均的な金額

「ドラッグストア」と聞くと、お菓子や日用品を買う場所というイメージが強いかもしれません。でも、スギ薬局のようなお店は、実は日本の高齢化社会を支える「調剤」という役割も、どんどん大きくなっています。

次にドラッグストアに行ったとき、レジ横の調剤カウンターに、少し目を向けてみてください。会社の数字の裏側にある、日本社会の変化が見えてくるかもしれません!


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