2026年9月1日、日本の金融の世界で、大きな節目となる出来事がありました。
長期金利の代表的な指標である「10年もの国債」の利回りが、一時3.00%まで上昇しました。
これは、およそ30年ぶりの高い水準です。
「3%って、そんなに大きな数字なの?」「なんで投資家はこの数字を気にしているの?」
今日はこの「節目」を一緒に読み解きながら、金利と株式市場の関係について学んでいきましょう!

お問い合わせ・無料体験・個別相談は
ここまでの道のり!じわじわ上がり続けてきた長期金利
長期金利は、実はこの数ヶ月、段階的に上昇を続けてきました。
- 7月3日
一時2.81%(1996年10月以来、約30年ぶりの高水準) - 8月18日
一時2.945%(1996年9月以来の高水準) - 8月31日
一時2.950%(節目の3%に迫る) - 9月1日
一時3.00%(約30年ぶりの高水準に到達)
こうして振り返ると、「30年ぶり」という言葉が、この数ヶ月間、何度も更新され続けてきたことが分かります。じわじわと上昇を続けてきた金利が、ついに「3%」という、きりの良い節目にたどり着いた、というのが今日の出来事です。
なぜ、長期金利は上昇を続けているのか
今回の上昇の直接のきっかけとして挙げられているのが、「日銀の早期利上げ観測」と、「日本の財政状況への懸念」です。
さらに、アメリカ側の動きも影響しています。アメリカの中央銀行にあたるFRBの高官が、「インフレ率が高い状況が続けば、やるべき仕事がある」と発言したことで、「アメリカも金利を上げるかもしれない」という受け止めが広がり、アメリカの長期金利も上昇しました。世界的に金利が上がりやすい空気が広がる中で、円安ドル高も進み、日本の金利上昇にも拍車がかかった形です。
なぜ「3%」という数字が、そんなに重要なのか
ここが今日の核心です。専門家の分析によると、「3%」という数字には、こんな意味があります。
長期金利がどのくらいの水準に落ち着くのが自然かを考えるとき、専門家は「トレンド成長率+トレンドインフレ率」という考え方を使います。
日本の経済が自然に成長していくペースが1%弱、日銀が目標としている物価上昇率が2%。この2つを足し合わせると、「経済や金融政策が正常な状態に戻ったときの、長期金利のあるべき水準」が、だいたい3%弱になる、という試算があるのです。
つまり3%という数字は、「超低金利だった特別な時代が終わり、日本経済が“普通の金利がある世界”に本格的に戻ったことを示す、象徴的な節目」だと受け止められているのです。
金利が上がると、なぜ株価に悪影響が心配されるのか
長期金利の上昇が、なぜ株式市場にとって心配材料になるのか、整理しましょう。
① 企業の借金コストが増える
会社が銀行からお金を借りたり、社債を発行したりするコストが増えます。特に、借金をして事業を大きく広げている会社にとっては負担が大きくなります。
②「株より債券」という選択肢が魅力的になる
長期金利が上がると、国債を持っているだけで、より高い利息を受け取れるようになります。「リスクを取って株を持つより、安全な国債で運用したほうがいいのでは」と考える投資家が増えると、株から資金が流出しやすくなります。
③ 高い株価がついている会社ほど、影響を受けやすい
将来の成長への期待が大きく、現在の利益に対して株価が高くなっている会社ほど、金利上昇の影響を受けやすいとされています。金利が上がると、将来の利益を今の価値に計算し直す際に、より大きく割り引かれるようになるためです。
実際、過去に金利が急上昇した局面では、PER(株価が、現在の1株あたりの利益の何倍かを示す指標)が高い銘柄、つまり将来の成長への期待が大きく織り込まれた「グロース株」に、売りが膨らみやすいという傾向が見られました。
でも今日は「バリュー株」が買われた
ここで、今日の市場の面白い動きを紹介します。
長期金利の上昇が警戒される中、今日の東京市場では、値上がり銘柄が850近くにのぼり、市場全体の5割を超えました。電気ガス・鉱業・石油石炭など、26業種が値上がりしています。
一方で、指数への影響が大きい銘柄を見ると、ソフトバンクグループ・キオクシアHD・豊田通商・KDDIなどは堅調だった半面、東京エレクトロン・ファーストリテイリング・アドバンテスト・リクルートHDなどは軟調でした。
このように、「割安に評価されている会社(バリュー株)」に資金が向かい、「将来への期待で高く評価されている会社(グロース株)」から資金が抜ける、という資金の移動が起きています。これは金利が上昇する局面でよく見られる、典型的な動きです。
「3%」到達は、これで終わりなのか
投資家の間では、今後の見通しについても意見が分かれています。
ある分析では、経済成長と利上げが続けば、年末には3%水準に達するという見方が、すでに以前から示されていました。今日それが現実になったことで、「予想通りの範囲内」と受け止める向きもあります。
一方で、日本の財政状況への懸念が強まったり、積極的な財政政策への警戒がさらに広がったりすれば、金利がこの先も上振れしていく可能性がある、という指摘も出ています。
「3%に到達した」という事実そのものよりも、「ここからさらに上がっていくのか、それとも一旦落ち着くのか」が、これからの株式市場にとって重要な分かれ道になりそうです。
投資家として、この節目からどう考えるか
今回の「長期金利3%到達」から、投資家として大切な視点を整理しましょう。
①「節目」は、多くの投資家が意識するポイントになる
きりの良い数字(この場合は3%)に近づいたり、到達したりすると、多くの投資家が「ここからどうなるか」を注視し始めます。節目を超えた後の値動きに、特に注目が集まりやすくなります。
② 金利上昇は、業種によって影響が異なる
金利が上がる局面では、割安株(バリュー株)と成長期待株(グロース株)で、明暗が分かれやすい傾向があります。「金利が上がった」というニュースだけでなく、「どの業種が買われ、どの業種が売られたか」まで確認することが大切です。
③長期的な視点を持つ
7月の2.81%から今日の3.00%まで、金利は数ヶ月かけて段階的に上昇してきました。一つ一つのニュースに一喜一憂するのではなく、「長い時間軸でどう動いてきたか」を振り返ることも、投資家にとって大切な習慣です。
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 長期金利 | 主に10年もの国債の利回りのこと。市場での取引によって日々変動する |
| トレンド成長率 | 経済が長期的に、自然に成長していくと見込まれるペース |
| バリュー株 | 実力(利益や資産)に対して、株価が割安に評価されている株 |
| グロース株 | 将来の成長への期待が大きく、現在の利益より高い株価がついている株 |
長期金利がついに「3%」という大きな節目に到達しました。これは、超低金利が長く続いた日本経済にとって、一つの大きな転換点と言えるかもしれません。
次に「長期金利」のニュースを見たとき、「今、何%なのか」「節目である3%からどう動いているか」を、ぜひチェックしてみてください。数ヶ月という長い時間軸で振り返ることで、今の状況がより深く理解できるようになりますよ!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
お問い合わせ・体験レッスンのご案内
もし「子ども向けの金融教育を探している」「子どものうちから金融リテラシーを身につけさせたい」「世の中には色んな会社があることを学ばせたい」「投資の仕組みを知ってほしい」という方は、ぜひカブサーの無料体験レッスンをお申し込みください。株の仕組み、会社の仕組みを丁寧にわかりやすく解説します。

お問い合わせ・無料体験・個別相談は









