2026年8月7日、日本の株式市場でこんなことがありました。
この1日だけで、約679社もの会社が決算を発表したのです。
任天堂、ソフトバンクグループ、キオクシア、フジクラ、川崎重工、オリンパス、第一生命、商船三井…。カブサーでこれまで紹介してきた会社も含めて、業種もバラバラなたくさんの会社が、同じ日に一斉に発表していました。
「なんで、みんな同じ日に決算を発表するの?」「毎日ちょっとずつ発表すればいいんじゃないの?」
今日はこの「なんで?」を一緒に考えながら、日本の決算スケジュールという意外な仕組みを学んでいきましょう!

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そもそも「決算発表」って、いつ行われるものだったっけ?
カブサーでこれまで何度も「決算発表」という言葉が出てきました。会社が「これくらい儲かりました(儲かりそうです)」という業績を、投資家に向けて公開する場のことでしたね。
会社は「1年間の会計をまとめる期間(会計年度)」を自分たちで決めています。日本の会社で一番多いのが、4月から翌年3月までを1年間とする「3月期決算」です。
3月に1年間が終わったら、そこから決算の内容をまとめて、株主や投資家に発表します。これが「本決算(ほんけっさん)」です。
さらに、1年をまるまる待つのではなく、3ヶ月ごとに「途中経過」も発表するルールになっています。これを「四半期決算(しはんきけっさん)」と呼びます。
- 第1四半期(1Q)
4〜6月分 → 7〜8月ごろに発表 - 第2四半期(2Q)
7〜9月分(中間決算)→ 10〜11月ごろに発表 - 第3四半期(3Q)
10〜12月分 → 1〜2月ごろに発表 - 本決算(4Q)
1年間まるごと → 4〜5月ごろに発表
今回の8月7日は、まさに「第1四半期決算」が発表されるシーズンのピークにあたっていたのです。
なぜ「3月期決算」の会社がこんなに多いの?
ここで、もう一つ大切な疑問が浮かびます。
「なぜ日本では、こんなに3月期決算の会社が多いの?」
理由はいくつかありますが、代表的なものを紹介します。
① 国の会計年度に合わせやすいから
日本の政府も、4月から翌年3月までを1年間の会計期間としています。役所とやり取りをすることが多い会社にとって、国と同じサイクルにしておくと、いろいろな手続きがスムーズになります。
② 新卒採用のタイミングと合っているから
日本では「4月に新入社員が入社する」という文化が根強くあります。会社の1年のスタートを4月に合わせておくと、新しい社員を迎えるタイミングと、会計年度のスタートが一致して分かりやすくなります。
③ 昔からの慣習が積み重なっているから
多くの会社が3月期決算にしているため、新しく上場する会社も「みんなと同じにしよう」と、3月期決算を選ぶ傾向があります。
こうした理由が積み重なって、日本では驚くほど多くの会社が「3月期決算」を採用しているのです。
なぜ「発表日」まで集中するの?
「会計年度が同じ3月期の会社が多い」というのは分かりました。でも、それなら「発表する日」はバラバラでもいいはずですよね。なぜ、同じ日に集中するのでしょうか?
理由はいくつか考えられます。
① 決算をまとめるのにかかる時間が、どの会社も似ているから
3月に会計年度が終わった会社は、そこから決算をまとめる作業を始めます。この作業にかかる時間は、会社によって大きな差が出にくいため、「発表できる時期」も自然と似たタイミングに集まりやすくなります。
② 東京証券取引所が決めているルールの範囲内で発表するから
上場企業は、決算期末から一定の期間内に決算を発表するという決まりがあります。この「期限」があることで、多くの会社が期限のギリギリ、つまり同じような時期に発表を集中させる傾向が生まれます。
③ 監査法人など、外部のチェックを受ける必要があるから
会社の決算内容は、発表する前に「本当に正しい数字か」を専門家(公認会計士など)がチェックします。このチェックにも時間がかかるため、多くの会社が似たようなタイミングで準備を進めることになります。
こうしたさまざまな理由が重なって、8月の第1週あたりに、決算発表が「ピーク」を迎えるのです。
「決算集中日」は、投資家にとってどんな意味がある?
さて、ここからが投資家目線の話です。「決算が集中する日」は、投資家にとってどんな意味を持つのでしょうか?
メリット① 一気にたくさんの情報が手に入る
1日でたくさんの会社の決算が発表されるということは、それだけ多くの情報が一気に手に入るということです。カブサーのブロンコビリー記事・アドバンテスト記事のような「良いニュース」を、同じ日にいくつも見つけられるチャンスでもあります。
メリット② 業種ごとの比較がしやすい
同じ時期に多くの会社の決算がそろうと、「今、どの業種が好調で、どの業種が苦戦しているか」を比較しやすくなります。
注意点!情報量が多すぎて、見落としが起きやすい
一方で、こんな注意点もあります。1日に679社も決算が発表されると、投資家(特に個人投資家)は、すべての情報をチェックしきれません。
「本当は良い決算だったのに、話題にならなかった」「悪い決算だったのに、大きなニュースに埋もれて気づかれなかった」ということも起こり得ます。
だからこそ、証券会社やメディアが「★注目決算」といったマークをつけて、重要な決算を目立たせる工夫をしているのです。
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 本決算 | 1年間まるごとの業績をまとめて発表するもの |
| 四半期決算 | 3ヶ月ごとに発表される、業績の「途中経過」 |
| 3月期決算 | 4月から翌年3月までを1年間の会計期間とする方式。日本で最も多い |
| 監査法人 | 会社の決算内容が正しいかどうかをチェックする専門家の組織 |
「1日で679社が決算発表」というのは、単なる偶然ではなく、日本企業の会計年度の仕組みが積み重なった結果です。
決算シーズンは、投資家にとって情報の宝庫であると同時に、たくさんの情報に振り回されないように気をつける時期でもあります。次に「決算集中日」というニュースを見たとき、「今日はどんな会社が発表しているんだろう?」と、少しのぞいてみてください!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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