【投資家目線で読む】日産がEVのレアアースを9割削減!中国の「資源カード」と日本の反撃を読み解こう

「電気自動車(EV)って環境にやさしいんじゃないの?」

そう思っている人も多いかもしれません。でも実はEVには、環境問題とは別に、もう一つ大きな問題が隠れています。

それが「レアアース(希土類)」という資源への依存問題です。

2026年4月18日、日産自動車がこんな画期的なニュースを発表しました。

「新型リーフのEVモーターで、レアアースの使用量を過去のモデルに比べて9割削減することに成功!」

「9割削減ってどれくらいすごいの?」「そもそもレアアースって何?」「なんで投資家が注目するの?」

今日はこの「なんで?」を一緒に追いかけながら、中国・地政学・日本の製造業・株価まで、世界のつながりを学んでいきましょう!

お問い合わせ・無料体験・個別相談は

そもそもレアアースって何?

レアアース(希土類)とは、地球上に少ししか存在しない17種類の希少な金属のことです。

「産業のビタミン」とも呼ばれ、ほんの少し製品に加えるだけで、素材の性能をびっくりするほど向上させることができます。

みなさんの身の回りにもたくさん使われています。

  • スマートフォン・パソコン(画面や磁石の部分)
  • 電気自動車(EV)のモーター
  • 風力発電の発電機
  • イヤホン・スピーカー
  • ハイブリッド車のバッテリー

特に電気自動車のモーターには、高温でも磁力が落ちないようにするため、「重希土類(じゅうきどるい)」と呼ばれるレアアースが欠かせませんでした。

なぜ「中国に依存している」ことが問題なの?

ここが今日の核心です。

世界のレアアース生産量の約7割は中国が占めています。

しかも採掘するだけでなく、鉱石を精製・加工する技術も中国が圧倒的に強い。つまり、レアアースのサプライチェーン(供給網)を中国がほぼ握っている状態です。

日本を含む多くの国の製造業は、このレアアースを中国から輸入しています。それ自体は普通の貿易ですが、問題は中国がこれを経済的な武器として使うことがある点です。

実際に過去にはこんなことが起きています。

  • 2025年:中国が米国への対抗措置として7種類のレアアースの輸出を規制。翌月、日本への輸出量が前年比で7割減という大打撃。
  • スズキが国内の小型車生産を一時停止。
  • 2026年には三菱重工など20社が輸出規制の対象に追加。

「部品が入ってこなくて、車が作れない」

これが現実に起きているのです。

これを投資の世界では「経済安全保障リスク」と呼びます。ある国が持つ資源や技術に頼りすぎると、その国との関係が悪化したとき、自国の産業が止まってしまうリスクです。

日産の「9割削減」はなぜすごい?

今回の日産のニュースが日経新聞の一面に載るほど話題になったのは、このレアアース問題に対して正面から「解決策」を示したからです。

日産は新型リーフに搭載したEVモーターで、特に中国依存度が高い重希土類(ジスプロシウム・テルビウムなど)の使用量を初代リーフと比べて9割以上削減することに成功しました。

「なんでそんなことができるの?」という技術的な話を簡単に説明すると、従来のモーターは高温になると磁石の力が弱まる問題があり、それを補うためにレアアースが必要でした。日産は部品メーカーと連携してモーターの設計や冷却の仕組みを根本から見直し、レアアースが少なくても高性能を維持できる技術を開発したのです。

さらにスマートフォン部品を作るミネベアミツミは、部品でのレアアース使用量をゼロにすることにも成功しています。

お問い合わせ・無料体験・個別相談は

投資家目線で考えよう:このニュースで誰が得をする?

こうしたニュースが出たとき、投資家は「誰が得をして、誰が困るのか?」を素早く考えます。

恩恵を受けそうな会社・業種

① 「脱レアアース」技術を持つ日本の製造業

日産のように中国依存を下げる技術を持つ会社は、今後のリスクが低くなります。製造業全体の競争力が上がるため、投資家からの評価が高まる可能性があります。

② レアアースのリサイクル・代替素材を開発している会社

使用済みの電子機器や車から少量のレアアースを回収・再利用する「都市鉱山」ビジネスが注目されています。また、レアアースを使わない新素材を開発している会社も脚光を浴びています。

③ 日本国内のレアアース採掘を進める会社

実は日本の南鳥島(みなみとりしま)の海底には、世界の需要の数百年分に相当するとも言われる大量のレアアースが眠っている可能性があります。日本政府が採掘プロジェクトを進めており、関連する海洋開発の会社への期待も高まっています。

厳しい状況になりそうな会社・業種

一方で、まだ中国からのレアアース調達に大きく依存している製造業は、規制が続くと生産コストが上がったり、最悪の場合は生産が止まったりするリスクがあります。

「経済安全保障」という新しい投資の視点

今回の日産のニュースが教えてくれるのは、「経済安全保障(けいざいあんぜんほしょう)」という概念の重要性です。

昔の投資家は主に「この会社は儲かっているか」「成長しているか」を見ていました。でも今の時代の投資家は、それに加えて「この会社はどこの国に頼りすぎていないか」「地政学リスクに強いか」も確認するようになっています。

ホルムズ海峡の封鎖で原油が入ってこなくなる問題も、中国がレアアースを止める問題も、根っこにあるのは同じこと。特定の国・地域に頼りすぎることのリスクです。

日産のニュースは単なる新技術の話ではなく、こういう大きな時代の変化の中で生き残ろうとする日本のものづくりの戦略そのものを表しているのです。

投資家が注目しているレアアース関連の会社を見てみよう

「どんな会社が関係しているの?」と気になった人のために、投資家が注目している会社をタイプ別に紹介します。

タイプ①「脱レアアース」技術で勝負する会社

大同特殊鋼(5471)

特殊鋼の大手メーカーで、重希土類をまったく使わない磁石の開発に成功しています。「重希土類完全フリーのネオジム磁石」という独自の技術で、すでにホンダの「フリード」などに採用実績あり。「脱中国」の本命として投資家から高く評価されている会社です。

ミネベアミツミ(6479)

精密部品の大手で、スマートフォン向けの部品でレアアースの使用量をゼロにすることに成功したと今回同じタイミングで報道されました。小型モーターや軸受けで世界トップクラスの技術を持ちます。

タイプ②「都市鉱山」リサイクルで稼ぐ会社

DOWAホールディングス(5714)

非鉄金属の精錬・リサイクルで国内トップクラスの企業です。使い終わった電子機器や工業製品からレアアースを回収・再利用する「都市鉱山」ビジネスに強みを持っています。中国の輸出規制が強まるほど、リサイクルの価値が上がるため追い風の会社です。

タイプ③「日本の海底レアアース」開発に関わる会社

東洋エンジニアリング(6330)

南鳥島沖の水深6000メートルの海底からレアアース泥を回収するシステムの開発を担当。海洋研究開発機構(JAMSTEC)から委託を受けて、海底の泥を引き上げる採鉱技術の設計・製作を手がけています。2026年1月から試験掘削もスタートしました。

三井海洋開発(6269)

浮体式の石油・ガス生産設備を作る会社で、深海での作業技術は世界トップクラス。南鳥島プロジェクトへの参画が期待されており、「日本が資源大国になる」という夢を体現する銘柄として注目されています。

4つの会社をひとことで整理すると

会社名(コード)注目される理由
大同特殊鋼(5471)レアアース不使用の磁石を実用化
ミネベアミツミ(6479)スマホ部品でレアアース使用量ゼロを達成
DOWAホールディングス(5714)廃棄物からレアアースを回収するリサイクル技術
東洋エンジニアリング(6330)南鳥島の海底レアアース採掘システムを開発
三井海洋開発(6269)深海作業技術で南鳥島プロジェクトへの参画期待

まとめ:世界はこんなふうにつながっている

キーワード意味
レアアースEVや半導体などに欠かせない希少金属。世界生産の約7割を中国が占める
輸出規制中国が政治的な手段としてレアアースを止めること。日本の製造業に直撃
経済安全保障特定の国への依存をなくして、国の産業を守ること
脱レアアース日産・ミネベアなどが挑む、レアアースを使わない製品づくり
都市鉱山廃棄された電子機器から希少金属を回収・再利用する技術

電気自動車の話が、中国との関係、世界の資源争い、そして投資の判断基準まで広がっていく。これが「投資家の目線で世界を見る」ということです。

スマホや車を使うとき、「これはどこから来た部品でできているんだろう?」と考える習慣が、実は最強の投資センスを育てる第一歩かもしれません!


お問い合わせ・体験レッスンのご案内

もし「子ども向けの金融教育を探している」「子どものうちから金融リテラシーを身につけさせたい」「世の中には色んな会社があることを学ばせたい」「投資の仕組みを知ってほしい」という方は、ぜひカブサーの無料体験レッスンをお申し込みください。株の仕組み、会社の仕組みを丁寧にわかりやすく解説します。

お問い合わせ・無料体験・個別相談は

名古屋千種校

名古屋市千種区田代本通

校舎ページを見る

江南校

江南市赤童子町大間

校舎ページを見る

日進赤池校

日進市赤池

校舎ページを見る

日進西小学校前校

日進市浅田町東田面

校舎ページを見る


鶴見緑校

大阪市鶴見区緑

校舎ページを見る

新金岡校

堺市北区蔵前町

校舎ページを見る

四條畷校

四條畷市中野本町

校舎ページを見る