「このキャラクター、可愛いな」
私たちがお店でグッズを手に取るとき、そこには純粋な「好き」という気持ちがあります。しかし、投資家の視点で見ると、そのキャラクターは単なるマスコットではなく、「24時間365日、文句も言わずに稼ぎ続けてくれる最強の社員」に見えてきます。
今回は、日本を代表する2大巨頭、サンリオとソニーを例に、キャラクターがどうやってお金を生み出し、企業の価値を高めているのか、その裏側を冒険してみましょう。

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そもそも「IPビジネス」ってなに?
まず知っておきたいのが「IP(アイピー)」という言葉。これは「Intellectual Property(知的財産)」の略です。 簡単に言うと、「その会社だけが使える、魔法のアイデアやデザイン」のこと。
キャラクタービジネスのすごいところは、一度人気が出ると材料費がほとんどかからずに、無限に価値を生み出せる点にあります。
- 普通のビジネス
パンを100個売るには、小麦粉100個分のお金と、焼くための時間が必要です。 - IPビジネス
キャラクターの「絵」を100社に貸し出す場合、追加の材料費はほぼゼロ。契約書を交わすだけで、チャリンとお金(ロイヤリティという使用料)が入ってきます。
サンリオはキャラの個数と貸し出しで勝負する
サンリオは今、世界中の投資家から熱い視線を浴びています。なぜなら、彼らは「キティちゃん」というスーパースターだけに頼るのをやめ、「キャラのチーム力」で稼ぐ仕組みを作ったからです。
ハローキティ依存からの大逆転
以前のサンリオは、売上の多くをキティちゃんに頼っていました。しかし、もしキティちゃんの人気が落ちたら会社はピンチになります。
そこでサンリオは、「シナモロール」「クロミ」「ポムポムプリン」など、個性豊かなキャラクターを次々とスターに育て上げました。
ひとつの商品がダメになっても他が支える。これを「リスク分散」と呼び、安定した経営の証拠になります。
作らないから儲かる
サンリオの利益の柱は、自分たちでぬいぐるみを作ることではなく、他社にキャラを貸すライセンスビジネスです。
例えば、お菓子メーカーが「キティちゃんのチョコ」を作りたいとき、サンリオに許可料を払います。サンリオは工場を持たなくても、世界中で自分たちのキャラが商品化されるたびに利益を得られるのです。
在庫が残って損をするリスクが低く、利益率(売り上げに対して残るお金の割合)が非常に高いのが特徴です。

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ソニーはグループの連携で物語を巨大化させる
一方、ソニーの戦い方はもっとダイナミックです。彼らはキャラクターを「単体」で見るのではなく、「物語(ストーリー)」として育て、グループ全体の力で押し上げます。
「ソニー連合艦隊」のチームプレー
ソニーは、世界でも珍しい「全部持っている会社」です。
- アニプレックスがアニメを作る
- ソニー・ミュージックが主題歌をヒットさせる
- プレイステーションのゲームにして遊んでもらう
- クランチロール(世界最大のアニメ配信サイト)で世界中に配信する
例えば『鬼滅の刃』や『スパイダーマン』。アニメを観て感動した人が、主題歌を聴き、ゲームを買い、映画館へ足を運ぶ。お金の流れがすべて「ソニーグループ」の中で循環する仕組みになっています。これを「エコシステム(生態系)」と呼びます。
ゲームのキャラを「映画スター」にする
ソニーは今、プレイステーションで人気のゲーム(『ラスト・オブ・アス』など)を実写ドラマや映画にしています。
ゲーム機を持っていない人でも、Netflixなどでドラマを観ればそのキャラのファンになります。すると、新しくゲーム機を買ってくれるかもしれません。
ひとつのIPを、形を変えて何度もおいしく食べる「メディアミックス」が得意です。
投資家が注目する3つのチェックポイント
もしあなたが、こうした企業の株を買って応援したいと思ったら、次の3つのポイントをチェックしてみてください。
- 海外売上比率
日本の人口は減っていますが、世界には何十億人もファンがいます。海外で稼げているかは最重要です。 - ライセンス収入の伸び
自分たちで汗をかいてモノを売るより、ライセンスで勝手に入るお金が増えている方が、会社は安定します。 - 新しいキャラの育成
10年後、20年後にスターになる「次のキティちゃん」や「次のヒット作」が育っているか?
投資は「未来のワクワク」への投票
キャラクタービジネスに投資するということは、そのキャラクターが作る「未来のワクワク」を応援することです。
サンリオのように「世界中を笑顔にするキャラ」を広めるのか、ソニーのように「世界中を熱狂させるエンタメ」を作るのか。
あなたがグッズを買ったり、映画を観たりして「これはすごい!」と感じた直感は、立派な投資のヒントになります。
次に街でキャラクターを見かけたら、その背後にある「企業の力」を想像してみてくださいね。
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