もしも「世界の石油の通り道」が通れなくなったら?
みなさん、最近ニュースで「ホルムズ海峡」という言葉を耳にしませんか?「どこか遠い国の話でしょ?」と思うかもしれませんが、実は私たちの生活にめちゃくちゃ関係がある、とっても大切なお話なんです。
中東にあるホルムズ海峡は、いわば「世界の石油の通り道」。もし、イランがここを封鎖してしまうと、世界で使われている石油の約2割が届かなくなると言われています。そうなると、世界中で石油の取り合いになり、値段がどんどん跳ね上がってしまいます。
石油の値段が上がると、私たちの暮らしはどうなるでしょうか。ガソリン代が高くなって車でのお出かけを控えたり、電気代が上がったり、さらにはプラスチック製品や食べ物の値段まで上がってしまうかもしれません。こうしたニュースを聞いたとき、ただ「困ったな」と不安になるだけでなく、「どの会社がピンチになって、どの会社がそれを助けて儲かるんだろう?」と考えるのが、投資家への第一歩です。
今回は、石油の値段が動くことで注目される会社を分かりやすく解説します!

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石油の値段が上がって収益増が期待できる会社
石油の値段が上がると、ストレートに「やったね!」と喜べる会社があります。まずは「石油を掘る・作る」プロたちを見てみましょう。
- INPEX (1605)
この会社は、地面の下から石油を掘り出す仕事をしています。石油の値段が上がれば、掘り出した石油を高く売ることができるため、会社の収益(商品を売って得たお金から、かかった費用を引いた残りの儲け)がぐんと増えます。 - ENEOSホールディングス (5020)
輸入した石油からガソリンや灯油などを作る精製を行っている会社です。ガソリンの販売価格が上がることで、精製マージン(原油を安く買って、ガソリンとして高く売ったときの差額の儲け)が大きくなることが期待されます。
石油を「掘る人」や「ガソリンに変える人」にとっては、石油価格の上昇は大きな追い風になるのです。
船の会社は「儲かる会社」と「損する会社」に分かれる
石油を運ぶ「海運業」については、少し複雑です。実は、同じ船の会社でも、ニュースの影響がプラスに出る場合とマイナスに出る場合があります。ここが投資の面白いところです!
海運会社の明暗を分けるポイント
儲かる理由
航路が封鎖されて遠回りをすることになると、船が足りなくなります。すると、石油を運ぶための運賃や、船を借りるための料金である用船料率が跳ね上がります。これが収益アップにつながります。
損する理由
遠回りをすることで、船を動かすための燃料代が余計にかかったり、到着が遅れて相手に違約金(約束を守れなかったときに払うお金)を払わなければならなくなったりします。
商船三井 (9104)・日本郵船 (9101)・飯野海運 (9119)
これらの会社は、運賃が値上がりすることによる利益の増加が期待できるため、投資家から注目されやすくなります。
一方で、燃料代の増加や違約金の支払いが重なると、せっかくの売上も消えてしまい、損をしてしまう可能性もあるのです。
石油が高くなると「新しいエネルギー」がヒーローになる?
石油が高くなりすぎると、世界中は「もう石油に頼るのはやめよう!」と考え始めます。そこでヒーローとして登場するのが、地球に優しいエネルギーを作っている会社です。
- レノバ (9519)
太陽の光や風の力で電気を作る再生可能エネルギーの会社です。石油が高くなると「こっちの電気のほうが安くて良いね!」とみんなが注目します。 - イーレックス (9517)
木や草などの植物を燃やして電気を作るバイオマス発電を行っています。ガソリンが高くなると、こうした植物から作った電気のほうがお得になる可能性があります。 - ユーグレナ (2931)
小さな「藻(も)」から、飛行機を動かすためのバイオ燃料を作っています。石油のピンチは、新しい燃料を作っているこの会社が大きくなる大チャンスかもしれません。
石油のピンチは、未来のエネルギーにとっては「お小遣いが増えるかもしれない」大きなチャンスになるのです。

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石油のせいで思わぬピンチを迎えるかもしれない身近な会社
最後に、石油が高くなることでダメージを受けてしまう可能性がある会社を見てみましょう。投資家は、以下の「3つの視点」でピンチを予測します。
① 「材料」が高くなって困る会社の例
製品を作るための元々の値段が上がってしまうパターンです。
- トヨタ自動車 (7203)
車を作るための鉄や部品の材料費が上がってしまいます。 - ゼリア新薬工業 (4559)
薬は石油化学製品(石油から作るプラスチックや薬の材料)から作られるため、材料費が上がって儲けが減ってしまいます。 - 東邦アセチレン (4093)
いろいろな化学製品の材料になるナフサという液体を石油から作っているため、その仕入れが高くなって困ってしまいます。
② 「運ぶのにお金がかかる」会社の例
燃料代が高くなって、利益が削られてしまうパターンです。
- ANA (9202)
飛行機の燃料代は莫大です。燃油サーチャージ(燃料高騰分の上乗せ料金)をお客さんからもらっても、追いつかないことがあります。 - バルニバービ (3418)
レストランを運営する会社です。食べ物を運ぶコストが上がるだけでなく、お店が材料を買うときの仕入原価も上がってしまいます。
③ 「お客さんがお金を使わなくなる」会社の例
周り回って、ビジネスそのものが冷え込んでしまうパターンです。
- プレミアグループ (7199)
ガソリンが高いとみんなが車に乗らなくなります。すると、中古車(誰かが前に使っていた車)を買う人も直す人も減ってしまう可能性があります。 - ビーブレイクシステムズ (3986)
トラックや船などの物流(荷物を運ぶ仕事)の会社にお仕事用コンピューターを売っていますが、ガソリン代で苦しいお客さんは、新しいコンピューターを買ってくれなくなるかもしれません。 - 日本航空電子工業 (6807)
飛行機の機械をつなぐコネクタという部品を作っていますが、航空会社が燃料代で苦しくなると、新しい部品を買うのをやめてしまう恐れがあります。
ニュースの裏側を考える投資家の目を持とう
ホルムズ海峡のニュースから、これほど多くの会社が繋がっていることに驚きませんでしたか?石油の値段が変わるだけで、ある会社は「大喜び」し、ある会社は「大ピンチ」になるかもしれない。これが経済のダイナミックで面白いところです。
投資家とは、単にニュースを見て「大変だ!」と怖がるだけでなく、「この出来事で、世の中はどう動くのか?」「どの会社が人々の助けになるのか?」と一歩先を考える人のことです。ただの「消費者」から、経済を動かす「投資家」へと目線を変えるだけで、世界の見え方はガラリと変わります。
次に石油のニュースを見たとき、あなたならどの会社に注目しますか?身近なところから、未来を予想する練習を始めてみましょう!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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