皆さんは、株式投資の世界でとっても嬉しいイベントである「配当金(はいとうきん)」を知っていますか?
配当金とは、会社が1年間がんばって稼いだ利益の一部を、「私たちの会社の株を買って応援してくれてありがとう!」という感謝の気持ちとして、株主にプレゼントしてくれる「お小遣い」のようなものです。
日本の会社の多くは3月末に1年の締めくくり(決算)を迎えるため、3月はこの配当金がもらえるチャンスが1年で一番多い大イベントの月です。
「よし、配当金が欲しいから、3月末に株を買おう!」 そう意気込んでいる人も多いかもしれませんが、ここで投資初心者によくある「大失敗」が起きます。
実は、例えば3月30日や31日に慌てて株を買っても、この配当金は1円ももらえないのです!今回は、配当金をもらうためのちょっと不思議なカレンダーのルールと、「そのルールを知った上で、いつ買っていつ売るべきか?」という投資家の作戦について、一緒に推理していきましょう。

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配当金をもらうための「VIPリスト」の秘密
配当金をもらうためには、会社が管理している「株主名簿(かぶぬしめいぼ)」というVIPリストにあなたの名前が載っている必要があります。
3月末決算の会社の場合、このリストをチェックする日は「3月31日」と決まっています。「なんだ、じゃあ31日に株を持っていればいいんだね!」と思うかもしれません。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。 実は、株を買ってからあなたの名前がVIPリストに登録されるまでには、「中1日(営業日)」の時間がかかるのです。
遊園地の年間パスポートを作るとき、申し込んでからカードが発行されるまで少し時間がかかりますよね。あれと同じで、証券会社や銀行での手続きにはタイムラグがあるのです。
投資家が絶対に覚えるべき「3つの日」
このタイムラグのせいで、カレンダーには3つの重要な日が生まれます。
わかりやすく、3日間すべてが「平日」だった場合のカレンダーで見てみましょう。
- 証券会社がお休みの土日・祝日は飛ばして数えます。確定日が土日にあたる場合は前営業日となります
- 権利付き最終日(絶対の締め切り!)
【例:3月29日】
「この日の終わる時間までに株を買っておけば、ギリギリVIPリストの登録が間に合うよ!」という、配当金をもらうための本当の締め切り日です。配当金が欲しい人は、絶対にこの日までに株を買わなければいけません。 - 権利落ち日(ここが今日のテーマ!)
【例:3月30日】
締め切りの「次の営業日」のことです。 この日に株を買っても、VIPリストの登録は4月に入ってからになってしまうため、今回の配当金はもらえません。つまり、配当金をもらう「権利」が「落ちて」しまった日、ということです。 - 3. 権利確定日(VIPリストのチェック日)
【例:3月31日】
会社が「よし、今日名簿に載っている人たちに配当金を配るぞ!」と最終確認をする日です。
つまり、「3月30日(権利落ち日)に株を買っても配当金はもらえない」というのは、手続きのタイムラグのせいでVIPリストへの登録が間に合わないからなんですね。
権利落ち日、株価はどうなる?
では、配当金がもらえなくなる「権利落ち日」の朝、その会社の株価はどうなると思いますか?
正解は、「配当金として配られる金額の分だけ、株価がガクンと下がりやすくなる」です。
例えば、1株あたり50円の配当金がもらえるA社の株があったとします。締め切り日までは、「この株を買えば50円のおまけがついてくるぞ!」とみんなが欲しがるので、株価は高くなります。
しかし、次の日の「権利落ち日」になると、その株を買っても今回の50円のおまけはついてきません。次のおまけの時期まで長く待たなければいけない分、株の価値は少し下がってしまうので、前日よりも株価が「50円くらい安く」スタートすることが多いのです。これを投資の言葉で「配当落ち(はいとうおち)」と呼びます。

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配当金をねらうなら、いつ買っていつ売る?
カレンダーの仕組みと、株価が下がる理由がわかったら、次は作戦を立てる番です。
投資家たちは自分の目的に合わせて、大きく分けて2つの作戦を使い分けています。あなたはどっちのタイプか、考えながら読んでみてください!
【買うタイミング】おまけが欲しい?安さが欲しい?
- 作戦A:配当金(おまけ)をゲットする!
- 作戦B:配当金はあきらめて、株を「安く」買う!
【売るタイミング】権利を確保する?値下がりから逃げる?
- 作戦C:配当金をもらってから売る!
- 作戦D:配当金をもらわずに、値下がりする前に売る!
正解は「あなたがどうしたいか」で決まる!
投資の世界には「こうすれば100%儲かる!」という魔法はありません。
- 「今すぐもらえるおまけが付いている株」を、少し高くても並んで買いたいか?
- 「次のおまけまで待つかわりに、安くなった株」を、ゆっくり買いたいか?
これは、普段の買い物と同じですよね。「配当金が欲しいから月末に買えばいいや」という表面的な情報だけで動くのではなく、世の中のルールの裏側を知ることで、ベストな売買のタイミングが見えてきます。
配当シーズンが近づいてきたら、自分が応援している会社の株をどう動かすか、じっくり推理してみてください。「おまけ」と「値段」、あなたならどっちを優先しますか?そんな風に考えることが、プロの投資家への第一歩ですよ!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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