以前カブサーで紹介した「日産のレアアース削減」の記事を覚えていますか?
そのとき少しだけ触れた、こんな話があります。
「日本の南鳥島(みなみとりしま)沖の海底に、レアアースが大量に眠っているかもしれない」
あれから数ヶ月、2026年7月24日、この計画が大きく前進したというニュースが発表されました。
「南鳥島沖の海底6,000メートルから引き揚げた泥、その中身が判明しました」
「泥の中身?」「それが投資とどう関係あるの?」
今日は「あの話、その後どうなった?」を一緒に確認しながら、日本の資源戦略の続きを学んでいきましょう!

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おさらい!なぜ南鳥島の泥が注目されているの?
まず、以前の記事の内容を簡単におさらいしましょう。
レアアース(希土類|きどるい)とは、スマートフォンや電気自動車のモーターなどに使われる、17種類の希少な金属のことでした。
世界のレアアース鉱山生産量の7割を中国が占めていて、日本はその中国からの輸入に大きく依存していました。もし中国が輸出を制限したら、日本の製造業が困ってしまう。これがカブサーで学んだ「経済安全保障」の課題でしたね。
そこで注目されているのが、東京都心から約1,950キロメートル離れた南鳥島の周辺の海底です。ここには、世界の需要の数百年分に相当するとも言われるレアアースが眠っている可能性があるのです。
今回、何が分かったの?
2026年7月24日、内閣府・海洋研究開発機構(JAMSTEC|ジャムステック)が、実際に泥を引き揚げて分析した結果を発表しました。
世界初の挑戦!深さ6,000メートルからの引き揚げ
地球深部を調べる船「ちきゅう」が、なんと5,569メートルという長さのパイプを使って、海底下から泥を海上まで連続して引き揚げることに成功しました。世界でも初めての試みです。
引き揚げた泥の量は、海水を除いて計算すると約50トンにもなりました。
分析の結果、「中重レアアース」がたっぷり含まれていた
この泥を詳しく分析したところ、こんなことが分かりました。
引き揚げたレアアースの成分のうち、約54%が「中重(ちゅうじゅう)レアアース」と呼ばれる、特に貴重な種類だったのです。
具体的には、次のような元素が確認されました。
- イットリウム(レアアース成分の約3割)
半導体製造装置のコーティング材や、排ガスをきれいにする触媒などに使われる - ネオジム(約2割)
電気自動車のモーターに使われる強力な磁石の材料 - ジスプロシウム
ネオジム磁石の性能を高めるために使われる、日産のレアアース記事でも登場した元素 - ガドリニウム
医療機器などにも使われる元素
なぜ「中重レアアース」が特別なのでしょうか?レアアースの中でも、こうした種類は特に採掘できる場所が少なく、価値が高いとされています。今回の泥には、それがたっぷり含まれていたということです。
安全性も確認された
投資家として、そして生活する私たちとしても気になるのが「安全性」です。今回の調査では、有害物質や放射性物質については、目立った数値は検出されなかったと発表されています。

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高市首相も自ら報告
今回の結果について、高市早苗首相が自身のSNSで結果を報告しました。
「世界で初めて、約6,000メートルの深海から引き揚げた、約50トンのレアアース泥の成分が判明しました」と伝え、2027年2月に本格的な採鉱試験を行う予定であることも明らかにしています。
国のトップが自らSNSで発信するほど、このプロジェクトが重要視されているということが分かります。
【次のステップ】2027年に「本格的な試験」へ
今回はあくまで「試験的に泥を引き揚げて、中身を分析した」という段階です。
内閣府などは、2027年2月から大規模な実証試験を計画しています。今回よりもさらに大規模に泥を引き揚げて、実際にどれくらいの量のレアアースを効率よく取り出せるかを確かめる予定です。
「発見した」から「実際に採れることを確認する」そして将来的には「商業化する(ビジネスとして成り立たせる)」
この道のりはまだ長いですが、着実に一歩ずつ進んでいます。
投資家目線で見ると、何が大切なの?
以前の日産レアアース記事で、投資家が注目する関連会社をいくつか紹介しました。今回のニュースを受けて、改めて確認しておきたいポイントがあります。
まだ「儲かる」段階ではない
大切な注意点として、今回の発表は「泥の中身が分かった」という科学的な成果であり、すぐに商業化されてお金になるという話ではありません。
カブサーで何度も学んできた「期待の先取り」を思い出してください。「レアアースが見つかった!」というニュースだけで関連株に飛びつくのではなく、「実際にビジネスとしてどれくらい進んでいるか」を段階ごとに確認していくことが大切です。
今回関わった組織・会社
今回の試験に関わったのは、国の研究機関であるJAMSTEC(海洋研究開発機構)が中心です。以前の記事で紹介した東洋エンジニアリングや三井海洋開発のような会社は、こうした海洋開発の技術面で今後関わってくる可能性がある企業として、引き続き注目されています。
「時間がかかるプロジェクト」を見守る視点
2026年7月に分析結果が出て、2027年2月に本格試験。このプロジェクトは何年もかけてゆっくり進んでいくものです。
投資家は、こうした長期的なプロジェクトについて「今日明日の株価がどうなるか」ではなく、「1年後、2年後にどこまで進んでいるか」という長い目線で見守ることも必要になります。
今日学んだ言葉のまとめ
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 中重レアアース | レアアースの中でも特に希少価値が高いとされる種類 |
| JAMSTEC | 海の研究や開発を行っている、日本の国立研究機関 |
| 実証試験 | 実際にうまくいくかどうかを確かめるための試験 |
| 商業化 | 研究や技術を、実際にビジネスとして成り立たせること |
「あのニュース、その後どうなったんだろう?」と気にかけ続けることは、投資家にとってとても大切な習慣です。
今回のように、ひとつのニュースを「続報」として追いかけることで、物事が少しずつ前に進んでいく様子がよく分かります。次は2027年2月の本格試験。ぜひまた一緒にチェックしていきましょう!
- 本記事における個別銘柄や投資に関する記載は、あくまで情報提供のみを目的としたものであり、特定の株式の売買や投資を推奨・勧誘するものではありません。また、将来の投資成果等を示唆・保証するものではありません。実際の投資にあたっての最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。
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