「ニュースで18兆円の補正予算って言ってるけど、これってどういう意味?」
「子供に日本の借金について聞かれたけど、うまく説明できない…」
ニュースでよく聞くけれど、意外と説明が難しい国の予算の話。 2025年11月28日、政府は18兆円を超える巨額の「補正予算(ほせいよさん)」を決定しました。
このニュースは、単に「国がお金を使う」という話だけではありません。私たちの毎日の生活(電気代やガス代)を助けてくれる話であると同時に、AIや半導体といった未来の技術への投資、そしてその裏側にある「国の借金」という大きなリスクを含んだ、非常に複雑で重要なテーマです。
今回は、このニュースを投資家目線でわかりやすく解説します。親子で「お金と社会の仕組み」を学ぶきっかけにしてみてください。
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そもそも「補正予算」ってなに?
お小遣いの「おかわり」会議
まず、子供たちに説明するときに一番わかりやすいのが、お小遣いの「おかわり」という例えです。
国も家庭と同じで、毎年4月に「今年の1年間は、これくらいお金を使いますよ」という計画(当初予算)を立てます。 しかし、1年間生活していると、予期せぬことが起こりますよね。
- 物価が急に上がって、生活費が足りない!
- 急に新しいゲーム機(新しい技術)が発売されて、どうしても今買いたい!
このように、最初に決めたお小遣いだけでは足りなくなった時に、「緊急でこれだけ追加させてください!」と会議をして決めるのが「補正予算」です。 今回、その「おかわり」の金額が、なんと13兆9000億円(※一般会計の追加額)、全体での対策規模はもっと大きく、非常にインパクトのある金額になったのです。
18兆円の大金、一体何に使うの?
国が今回お金を使う先は、大きく分けて2つの柱があります。投資家の視点で見ると、ここに「お金が流れる場所=株価が動きやすい場所」のヒントがあります。
① みんなの生活を助ける(物価高対策)
最近、スーパーに行くと「卵が高い」「野菜が高い」と感じませんか?電気代やガス代の請求書を見て驚くこともあるでしょう。これが「物価高」です。
国は、この対策に約8兆9000億円を投じます。
- 電気・ガス代の補助金
家庭や企業の負担を減らす - ガソリン代の補助金
車社会の地方や物流を支える - 低所得世帯への給付金
生活が苦しい人を直接助ける
【投資家の視点】
みんなの生活費の負担が減れば、その分、少し余裕ができて買い物や外食にお金を使うかもしれません。そのため、スーパーマーケット、ファミリーレストラン、小売りといった消費関連の企業の業績にとってプラスになる可能性があります。
② 未来の技術を作る(AI・半導体への投資)
もう一つの使い道は、日本の「稼ぐ力」を強くするための投資です。ここに約6兆4000億円を使います。 キーワードは「AI(人工知能)」と「半導体(はんどうたい)」です。
今、世界中の国や企業が、AIの開発競争をしています。AIを動かすためには高性能な半導体が不可欠です。ここで負けてしまうと、日本の経済は世界から置いていかれてしまいます。 そこで国は、AIや半導体の工場、そして造船などの分野に巨額の支援を行います。
【投資家の視点】
「国策(こくさく)に売りなし」という投資の格言があります。国が本気でお金を入れて後押しする分野は、成長する可能性が高いという意味です。 今回の補正予算により、半導体製造装置メーカー、AI開発企業、大手造船会社などは、投資家から熱い注目を集める「国策テーマ株」となります。
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でもちょっと待って!そのお金、どこにあるの?
ここまで聞くと、「生活も助かるし、未来の技術も発展するし、いいことばかり!」と思えますよね。しかし、ここで金融リテラシーとして絶対に知っておかなければならない「リスク」の話があります。
「そんな大金、どこから持ってくるの?」という問題です。
実は、税金が予想より少し多く集まった分もあるのですが、それだけでは全然足りません。 足りない分の11兆円以上は、「国債(こくさい)」を発行して賄います。 もっと平たく言えば、「国の借金」を増やして、お金を用意したのです。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいる?
今回のニュースをまとめると、こういう状態です。
- アクセル
「お金を配って生活を楽にするぞ!」「未来の技術に投資して経済を成長させるぞ!」 - ブレーキ
「でもそのお金は借金だぞ!」「将来、借金が増えすぎると大変だぞ!」
投資家たちは、目先の経済対策を歓迎する一方で、日本の財政が悪化することを非常に警戒しています。 国の借金が増えすぎると、将来的に以下のようなことが起こるかもしれません。
- 大増税
借金を返すために、将来の税金(消費税など)が高くなる。 - 金利の上昇
「日本にお金を貸すのは危ない」と思われ、金利(利子)が上がる。住宅ローンなどが高くなる可能性がある。 - 円安・インフレ
お金の価値が下がり、さらに物価が上がる。
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親子で話そう!このニュースのポイント
カブサーの授業では、こうしたニュースを扱った後、子供たちに必ず「自分ならどう考える?」と問いかけます。
ご家庭でも、夕食の時などにこんな話をしてみてください。
- もしあなたが総理大臣なら?
-
「物価が高くて困っている人を助けるために借金をするのと、借金をせずに我慢してもらうの、どっちがいいと思う?」
正解はありません。子供なりの「優先順位」を聞いてみましょう。
- 未来への投資って必要?
-
「AIやロボットの研究にお金を使うのと、今の給食を豪華にするの、どっちにお金を使ってほしい?」
短期的な幸せと、長期的な成長のバランス感覚を養う質問です。
カブサーが目指す「生きる力」としての金融教育
今回の補正予算のニュース一つをとっても、「政治」「経済」「家計」「投資」「未来の技術」など、あらゆる要素が絡み合っています。
カブサーは、単に「株で儲ける方法」を教える場所ではありません。
ニュースの裏側にある「お金の流れ」や「大人の事情」を読み解き、「自分たちの生活はどう変わるのか?」「リスクとリターンのバランスはどうなっているのか?」を、自分の頭で考えられる子供たちを育てたいと考えています。
今回の18兆円のニュースも、子供たちにとっては「社会の仕組み」を知る最高の実践教材です。ぜひ、この機会に親子でお金の話をしてみてください。
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